――一軍ではすでに9試合に登板し、もちろんファームでも投げています。ここ数年の故障、リハビリのことを思うと、もう体調的には問題がないと考えていいのですか?
髙津 シンプルに「投げる」ということに関しては非常によくできていると思います。たとえ間隔を詰めても「いけます」って言いますし、何か投球に変化があるわけでもないので、「投げる体力」はついてきたんだろうと思います。あとは、本当の意味での先発ローテーション投手として、しっかり週に1回投げていこうと思ったら、その1試合のムラをなくすこと。先週よくても、今週は全然ダメだった。そういう点がなくなれば、本当に先発ピッチャーとして合格だと思います。投げる体力はついてきた、あとは内容の部分。今はそういう段階ですけど、僕はとても楽しみにしていますけれどね。
――前半戦は故障者が続出したことによって、選手起用に関して、いろいろと苦労があったように思います。その中で、いわゆる「ヤンスワ」と呼ばれる若い選手たちが、それぞれ確実に成長し、たくましくなっている印象がありますが、この点はいかがですか?
髙津 まず、技術面に関しては、例えば守備がうまくなったとか、走塁がうまくなったとか、バントがなかなかできなかったのが少しずつうまくなってきたとか、いろいろな面で成長を感じます。やっぱり、「経験」というのは技術を高めるためには非常に重要だと感じました。経験しないと、野球の頭、野球脳という技術以外の力がつかないと思うんです。「ヤンスワ」と呼ばれる選手たちは常に全力です。手抜きをしない。練習も試合も、常に一生懸命やるんだけれども、なかなか技術が追いつかない部分もある。それでも、着実に成長しているとは思います。
――着実に成長の跡は見られるけれども、まだまだ物足りないと感じますか?
髙津 それが、今言った「野球脳」と呼ばれる部分ですよね。「若いから」とか、「経験がないから」というのはもちろんあるけれど、「まだまだ考え方が追いついていないな」ということはすごく感じますね。バッターだったら、相手バッテリー心理、ピッチャー心理、試合の状況、アウトカウント、ストライクカウントを考えること、相手の持ち球、自分の弱点、ストロングポイント……。他にもたくさんの点を考慮した上で、相手はリードしてくる。それを読んで、スイングを仕掛けていくとか、積極的に走りにいくとか、あるいは「ここはちょっと自重しよう」とか、試合の状況で目に見えないところってたくさんあると思うんです。そこの判断であったり、そこの理解であったり、そこが「まだまだかな」と思うことが多いですね。もちろん技術勝負の世界なので、技術が高まればそういうところもカバーされるのかもしれないですけど、野球の頭がよくないとやっぱりうまくできることもできなかったりもするので、その野球の勉強というところは頑張ってやってほしいなと思いますね。

――当然、彼らは全力で手抜きもせず、死に物狂いでプレーしていると思います。とはいえ、野球脳が追いついていないとか、技術的に未熟な部分があるとか、そうした欠点もあります。それでも起用を続け、監督の中で手応えみたいなものは感じ始めてはいますか?
髙津 もちろん、「上手になっているな」と思う部分もたくさんありますよ。「これもできるようになったな」とか、「ちょっと形になってきたな」と思うところはたくさんあります。ただ、ちょっと表現は難しいですけど、「今、本当にプロ野球のレギュラーとして出る実力があるのか?」って考えると、やっぱり「まだまだだな」と思います。これでレギュラー気取り、一軍気取りで、「オレはレギュラーだ」「オレは一軍だ」と思っているような選手がいたら、成長はそこで止まってしまうでしょう。もちろん、そんな選手はいないとは思うし、来年以降、本当のレギュラーを奪っていく選手がいるかもしれないけれども、今のプロ野球のレベルからして、まだ本当の意味でのレギュラーと呼べる「ヤンスワ」は少ないと思います。