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政府が掲げるムーンショット計画が再始動し『人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会』がある程度実現された現代日本。
完全フルダイブ型MMORPG『アルカナセイド』がムーンショット計画に一役買った後、サービス終了してから五十年の月日が流れた。
自律型量子演算機を採用したゲームサーバー内の仮想世界『アルカナ』では創世以来すでに一万二千年が経過し、独自の異世界が形成されていた。
一見、本物と見紛うほどに洗練された映像美と大地、そこに息づくNPCたちの文化。
不治の病、或いは事故により現実世界における肉体を捨て、アルカナの住人となったプレイヤーたちは度重なる<転生>で記憶を失いながらも、勇者として今も世界に生き続けている。
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『生きて勇者が持つ十三のオーブを集めなさい』
代々勇者を輩出してきたダヌリス家に生まれながら<魔族のオーブ>を持って生まれたアル(NPC)は、家族から奴隷同然に扱われてきた。
ある日、勇者の責務である魔物討伐の遠征を目前にして、アルの師匠サティスは遠征に同行するアルが実の兄によって殺されることを知る。
サティスやアルの唯一の味方である兄ミラン、妍狼族の使用人ハルの助けを借りダヌリス家からの脱出を試みるアルだったが、寸でのところで兄たちに阻止されてしまう。
死力を尽くした三人の助力によってどうにか逃げ切るアルの脳裏に、師匠が最後に残した言葉がいつまでも焼き付いている。
生き残るには自分以外の勇者たちとの争いは避けられない。
<魔族のオーブ>を持つアルは師匠の力の一端を引き継ぎ、世界に点在する十三のオーブを求めて旅を始める。
文字数 72,483
最終更新日 2025.07.21
登録日 2025.07.08
現代日本から転生した人々の手により捻じ曲げられた異世界『アルカナ』。
転生者たちはアルカナの世界にて前世での鬱憤を晴らすかのように他種族の排除、支配を繰り返し続けた。
果ては世界そのものを意のままにするため、彼らは浮遊島を生み出し大地はおろか空の安寧をも脅かした。
幾千年もの後、前世で不遇の死を遂げた若者たちの中から強大な力を持つ者<権能者>が現れ始めた。
権能者たちは各々に前世での時代背景は違えど、人が人を支配する世界の在り方に強い不安や怒りを抱いていた。
やがて権能者の内の一人、後に「大賢者」と呼ばれることとなる少女と仲間たちの手によって浮遊島は崩落した。
大賢者は再び世界に悲しみが訪れぬよう崩落の難を免れた地上の人々に教えを説いた。
彼女の教えは数百年もの時を重ね『魔術信奉書』として編纂されるに至った。
しかし人と人との争いが尽きることはなかった。
故に権能者たちは、かつて世界に存在しなかった<魔物>を生み出し、人々の統制を図った。
大賢者と最も親交の深かった権能者の少女は自らを<魔王>と名乗り、魔の軍勢を率いて人々に対抗した。
権能者やその意志を継ぐ者たちはアルカナの世界に留まらず、やがて異世界にまで影響を与える存在<ネクロシグネチャー>として世界の安寧を求め続けた。
文字数 86,892
最終更新日 2024.12.17
登録日 2024.11.21
高校生最後の冬、彼女に思いの丈を打ち明けるはずだった僕は死んだ。
約束の場所に向かう途中に遭遇した未知の存在との接触後、肉体を失った僕は彼女の守護に徹することに決めた。
しかし、元より内に熱いものを秘めた彼女を見守ることは容易ではなかった。
彼女の趣味である小旅行もとい「廃墟・心霊・パワスポ巡り」には何故かいつも不可思議な現象が付きまとう。
やがてそのどれもが僕の「死」と無関係ではないことを二人は知ることになる。
【探索メイン、稀に戦闘有り】
【やるべきことは二つ。 何より彼女のことを見守ること。あわよくば失った肉体を取り戻すこと】
※作中に登場する人物、地名は実在するものとほとんど関係ありません。安心してお読みください。
※廃墟探索は、必ず所有者の許可を得た上で安全第一を心掛けて行なってください。常にリスペクトの念を忘れずに。
文字数 137,331
最終更新日 2024.12.07
登録日 2024.11.11
プロメザラ城下、衛兵団小隊長カイムは圧政により腐敗の兆候を見せる街で秘密裏に悪徳組織の摘発のため日夜奮闘していた。
しかし、城内の内通者によってカイムの暗躍は腐敗の根源たる王子の知るところとなる。
あらぬ罪を着せられ、度重なる拷問を受けた末に瀕死状態のまま荒野に捨てられたカイムはただ骸となり朽ち果てる運命を強いられた。
死を目前にして、カイムに呼びかけたのは意思疎通のできる死肉喰(グールー)と、多層世界の危機に際して現出するという生命体<ネクロシグネチャー>だった。
二人の助力により見事「完全なる『死』」を迎えたカイムは、ネクロシグネチャーの技術によって抽出された、<エーテル体>となり、最適な適合者(ドナー)の用意を約束される。
一方、後にカイムの適合者となる男、厨和希(くりやかずき)は、半年前の「事故」により幼馴染を失った精神的ショックから立ち直れずにいた。
漫然と日々を過ごしていた和希の前に突如<ネクロシグネチャー>だと自称する不審な女が現れる。
彼女は和希に有無を言わせることなく、手に持つ謎の液体を彼に注入し、朦朧とする彼に対し意味深な情報を残して去っていく。
――幼馴染の死は「事故」ではない。何者かの手により確実に殺害された。
意識を取り戻したカイムは新たな肉体に尋常ならざる違和感を抱きつつ、記憶とは異なる世界に馴染もうと再び奮闘する。
「厨」の身体をカイムと共有しながらも意識の奥底に眠る和希は、かつて各国の猛者と渡り合ってきた一兵士カイムの力を借り、「復讐」の鬼と化すのだった。
~魔王の近況~
〈魔海域に位置する絶海の孤島レアマナフ。
幽閉された森の奥深く、朽ち果てた世界樹の残骸を前にして魔王サティスは跪き、神々に祈った。
——どうかすべての弱き者たちに等しく罰(ちから)をお与えください——〉
文字数 167,732
最終更新日 2024.12.06
登録日 2024.11.11
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