沼のヌシと沼神様
巨体ゆえに湖沼へと捨てられた鯉は、いつの間にか人語を解するようになり、やがて“ヌシ”と呼ばれるようになった。しかしヌシが住まう沼にはもとから神がいた。ヌシは沼神様に恋をするが、想いを伝えることなど夢のまた夢。それに近ごろの沼は騒がしい。沼がある山を管理する一族の娘・澪子(みおこ)曰く、この沼の周辺が「心霊スポット」として有名になってしまったようだ。そんな折、沼にやってきた男は言った。「沼神様こそ自分の前世の恋人だ」――と。
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