現金伝説と甘い迷宮
春先の王都ルトラムの朝は、まだかすかに白いもやが石畳の隙間に漂い、目覚めかけた街の息遣いが、しっとりと肌にまとわりついていた。鐘楼の澄んだ鐘が一つ、空に響き、尖塔の影を細長く伸ばす。日の光は遠く東の空をまどろませ、冒険者見習いの学園通りには、制服姿の生徒たちがそろりそろりと集まり始めていた。
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