宿敵の夢魔の若君を血契で縛ったら、泣きながら「ご主人様」と呼ばれました
吸血鬼として目覚めた私が、旧鐘楼裏で見つけたのは――
角と尻尾を隠せず、真っ赤な顔で震えている宿敵の夢魔の若君だった。
黒茨学院きっての天才で、幼い頃から私にだけ張り合ってくるルシアン。
そんな彼が、夢魔の本能に振り回され、涙目で「見るな」と睨んでくる。
逃がすわけがない。
私は彼の薬を奪い、尻尾に手を伸ばした。
「触らせてくれたら、誰にも言わないであげる」
ただの意地悪のつもりだった。
けれど、彼の血は甘すぎた。
彼の尻尾は正直すぎた。
そして何より、彼は私を憎んでいたわけではなかった。
ずっと、ずっと、私だけを見ていた。
吸血鬼令嬢と、泣き虫で強がりな夢魔の若君。
宿敵だった二人は、やがて血と欲望と初恋を絡めた契約で結ばれる。
「ご主人様」
血契の夜、彼は跪いて、そう私を呼んだ。
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