『琥珀色の記憶をほどいて ―時洲美波と沈黙の迷子―』
下町の路地裏にひっそりと佇む古物商『時洲堂』。
あどけない笑顔で店番をする店主の時洲美波は、丸眼鏡を押し上げると探し物探偵へと顔を変え、持ち込まれる『迷子』のモノたちが抱える謎を紐解いていく。
『真っ黒な汚れを吸い寄せる呪われた琥珀のペンダント』や『密室の古物店で忽然と消えた企画書』など、一見すると不可解な現象の数々。
だが美波は、持ち前の鋭い物理的な観察眼と人間への深い洞察力、そして古物の知識を頼りにその真実を暴き、モノを還るべき人の元へと優しく導いていく。
そんなある日、テレビのロケハンで店を訪れた鑑定界の重鎮・神谷宗珠は、美波がカウンターで『ただのペン立て』として無造作に使っている薄汚れた茶器を目にし、驚愕する。
それは江戸時代、天下の大泥棒と呼ばれた義賊・土岐半次郎が盗み出し、歴史の表舞台から姿を消したはずの幻の茶器だった。
なぜ、いわくつきの盗品が、この場末の骨董屋にあるのか。
遺されたモノが語る不器用で温かな愛情と、日常に潜む数奇なめぐり合わせ。
美波の真っ直ぐな眼差しが迷子たちの本当の居場所を照らし出す、路地裏アンティーク・ミステリー第2弾!
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