『余命一年の王子様に、今日も薬草を届けます』
母を亡くした八歳の少女リゼットには、ひとつの約束が残された。
――王子様を、ひとりにしないで。
母の遺した薬草帳を胸に、王子を探すことを決意したリゼットは、ある日、森の奥で銀髪の少年を見つける。
少年の名はエドワード。
病弱な第二王子であり、周囲からは「十八歳まで生きられない」と囁かれている少年だった。
「僕は、どうせもうすぐ死ぬから」
そう言って生きることを諦めるエドワードに、リゼットは薬草を差し出す。
「死ぬかどうかは、まだ決まっていません!」
母から教わった薬草の知識を頼りに、リゼットは毎日エドワードのもとへ薬を届ける。
けれど、彼の病は生まれつきのものではなかった。
王宮に隠された毒の痕跡。
不自然に改ざんされた治療記録。
そして、病死したはずの母が残した謎の言葉。
「王子様を、ひとりにしないで」
これは、死を待つ王子に生きる理由を与える少女と、初めて自分のために泣いてくれた少女を守ろうとする王子の、約束から始まる恋の物語。
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