婚約破棄は結構ですが、その侮辱には剣で答えていただきます
「ヨハンナ。おまえとの婚約は破棄する。辺境の粗野な女など、王妃にはできん」
大広間の真ん中でそう告げられましたけれど、わたくし、そこは結構ですのよ。愛されていないことくらい、七年もお側におれば分かりますもの。
けれど殿下は、続けてこう仰いましたの。
「そもそもおまえの父は、金で辺境を売った男だ」
――ああ。
そこは、聞き流せませんわ。
わたくしは手袋を外して、殿下のお足元へ投げました。
「決闘を申し込みますわ」
「なっ……代理人はどうする」
「立てませんの。わたくしが十二の年から握っておりますのは、刺繍針ではございませんので」
辺境エルンフェルスの武門に生まれた娘です。王都では七年間ずっと「粗野」と嗤われてまいりました。結構ですわ。粗野で。
その粗野で、父の名をお返しいただきます。
大広間の真ん中でそう告げられましたけれど、わたくし、そこは結構ですのよ。愛されていないことくらい、七年もお側におれば分かりますもの。
けれど殿下は、続けてこう仰いましたの。
「そもそもおまえの父は、金で辺境を売った男だ」
――ああ。
そこは、聞き流せませんわ。
わたくしは手袋を外して、殿下のお足元へ投げました。
「決闘を申し込みますわ」
「なっ……代理人はどうする」
「立てませんの。わたくしが十二の年から握っておりますのは、刺繍針ではございませんので」
辺境エルンフェルスの武門に生まれた娘です。王都では七年間ずっと「粗野」と嗤われてまいりました。結構ですわ。粗野で。
その粗野で、父の名をお返しいただきます。
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