婚約破棄された悪役令嬢が辺境でひっそり暮らすはずだったのに、全員が追ってきます

「――よって、エレノア・ラングフォードとの婚約は破棄する!」

 玉座の間に甲高い国王の声が響いた瞬間、わたくしは思わずあくびを堪えた。

 だって、こんな茶番、三日前から決まっていたのだもの。

 婚約者である王太子アルベルト殿下は、最近お気に入りの“純真(じゅんしん)令嬢”ことリリアーナ嬢に夢中で、わたくしを悪役令嬢に仕立て上げて断罪したかっただけなのだ。

 「エレノア、お前がリリアーナを虐めた証拠はすべて揃っている! 反論はないな?!」

 本当に“揃っている”なら見せてほしいところでしたけれど、実際にあるのはリリアーナ嬢とその取り巻きが勝手に書いた捏造メモくらいだ。

 わたくしは優雅にスカートを摘み、礼をした。

 「……はい、殿下。反論はございません」
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