「存じ上げませんが、どちら様ですか?」——忘れることが、最も残酷な復讐になった
伯爵令嬢フィーネは婚約破棄のショックで過去の記憶を全て失った。名前も、家族も、婚約者も——何もかも。保護してくれた辺境の薬師に弟子入りし、「フィー」と名乗る少女として穏やかに暮らし始めた。朝は薬草を摘み、昼は薬を調合し、夕方は師匠の息子——無口だが優しい青年ルカスと一緒に夕焼けを見る。「私、前の自分より今の自分が好きです」。五年後。辺境に一人の貴族が現れた。やつれた顔で「フィーネ、迎えに来た」と。彼女は首を傾げた。「存じ上げませんが、どちら様ですか?」——嘘ではなく、本当に覚えていない。忘れることが、最も残酷な復讐になった。
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まぁ、これは記憶がなくなった主人公の話だから
窃盗女と実家のその後は別に書かんでもええだろう
だって記憶がないから関係ねぇんだもん
それを拡大解釈して泥棒推奨小説ですか?は飛躍し過ぎで笑うわ笑
お読みいただき、ありがとうございます! まさにそこなんです——フィーは記憶を失っていますから、窃盗女や実家のその後は彼女の世界の外側にあって、彼女自身にはもう関わりのない話なんですよね。だからあえて深追いせず、フィーが今いる場所だけを描こうと決めました。そこを「記憶がないから関係ねぇ」と言い切ってくださって、作品の芯を読み取っていただけたようで嬉しいです。温かいコメント、励みになります。これからも書き続けますので、よろしければまたお付き合いください。
ん? 伯爵令嬢ってわかってるなら家族は??
届けても返答が無かったってことは、フィーネは最初から邪魔者で勘当して追い出してせいせいしたわ、後は知らん、無関係ってことなのかな?
だとしたらオスカーを騙した女も、フィーネを追い出した伯爵家にもざまぁがあって欲しい今日この頃。
お読みいただき、ありがとうございます!
ご質問・お考えをお寄せくださり、ありがとうございます。本編で語りきれない部分は月華さんなりのご想像でお楽しみいただけたら嬉しいです。
引き続きよろしくお願いいたします!
拝見しました。
ルカスの物言わぬ優しさが身にしみる。また記憶が無いのを良い事にあわよくば自分の悪事を無かった事にしようとするオスカーの振る舞いを見抜くお師匠様もすごい。
こんな暖かな人達がいるから土にまみれた平民の暮らしであっても記憶が戻らずともフィーは幸せなんだろうと思えました。
お読みいただき、ありがとうございます!
ルカスの「物言わぬ優しさ」とお師匠様の鋭さの両方を読み取っていただけて、嬉しいです。フィーが平民の暮らしの中でも幸せでいられる根拠は、まさにnaimed様が書いてくださった通り、周囲の人たちの温度の中にあります。記憶が戻らずとも、というところに行き着いてくださって、書いた身として救われました。
で?金を毟り取った女には何もなし?泥棒推奨小説ですか?
お読みいただき、ありがとうございます!
鋭いご視点に、書き手としても考えさせられました。お考えを大切に、今後の創作にも活かしてまいります。