異世界人に転生された双剣士は、人格が消えずに残ったので、自分に転生した廃ゲーマーの知識を借りてモンスターに支配された世界の英雄になる

いつものようにダンジョン攻略に挑むブレイブは、どこにでもいる普通の剣士だった。

彼は到達した階層に本来いるはずのないモンスターと運悪く遭遇し、戦いに敗れて意識を失ってしまう。

そんなブレイブの体へ、ある人物が転生した。

その人物とは元の世界で自ら命を経とうとしていた廃ゲーマー、如月静流(きさらぎしずる)だった。

静流は目を覚ますと、自身がはまっていたRPGと似た世界へ転生したことに気づき、廃ゲーマーとしてのプレーヤースキルでモンスターを倒して危機を脱する。

しかし、静流にはそもそも転生願望はなく自殺願望しかなかったが、女神に無理やり転生させられた為、その状況に不満を持つ。

しばらくして体の主であるブレイブの意識が目覚めると、静流の視界が暗くなり、体の主導権がブレイブに移ってしまう。

ブレイブは地面に倒れているモンスターを見て、自分に宿った神が敵を倒してくれたのだと勘違いする。

神のおかげで自身のレベルも上がり、強くなったと考えたブレイブは、ダンジョン攻略を進めようとするがあえなく失敗してしまう。

その様子をしばらく見ていた静流だったが、ついに我慢できなくなるとブレイブに声をかけ、彼のやり方の問題を指摘する。

ブレイブはその指摘を受け止め、それから静流のアドバイスに従うことにする。

二人がお互いの夢を確認すると、ブレイブは「英雄になる」ことで、静流は「ブレイブの体から抜け出して死ぬこと」だった。

その夢を叶えるには、ダンジョンの上層で留まっているわけにはいかない。

二人は協力し合いダンジョン攻略を目指すことにしたのだった。
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