『射程9999+ですが、今日の営業は終了しました ~地味な射程延長を選んだら、聖女まで投げる人間カタパルトになっていた~』
「派手なチートはいりません。普通に冒険者をやりたいです」
異世界へ送られる神崎レンが、《到達と境界》の女神メガチ・ブルースノーから選んだ能力は《射程延長》。
石や弓がちょっと遠くまで届けば便利。
その程度のつもりだった。
「最大値でいいですよね?」
《RANGE:9999+》
――9999は最大射程ではない。
ただの表示限界だった。
指先で弾いた小石さえ異常な距離まで届くことを、元B級冒険者の《検証屋》アルベルトに発見されたレン。
「まだ試してないですよね?」
その一言から、平穏な冒険者生活がおかしくなっていく。
小石を投げる。
薬を投げる。
食料を投げる。
通信水晶を投げる。
木箱を百七十キロ先へ投げる。
そして疫病によって完全封鎖された村から救援要請が届き――。
「聖女様も投下してください」
「人間は荷物じゃねえ!」
女神から貰った《無限パラシュートボックス》を背負わせ、聖女も医者も空を飛ぶ。
その結果、本人の知らないところで《人間カタパルト》《ロックダンの英雄》《女神メガチの使徒》という噂だけが世界を駆け巡っていく。
ただし、能力が保証するのは「届く」ことだけ。
重いものは重い。
壁は抜けない。
命中率は本人次第。
無茶をすれば全身筋肉痛。
「本日の営業は終了しました」
もっと安全に届けるため始めた筋トレ。
体力作りで始めたランニング。
けれど走ってみれば、知らない道があった。
山があった。
村があった。
海があった。
そして、自分が投げた荷物を待っていた人たちがいた。
荷物なら世界の果てまで一瞬で届く。
なのに――自分がどこへ行きたいのかは、まだ分からない。
なら、走って、歩いて、乗って、この世界を見てみよう。なお、標準料金は木箱一箱まで。
二箱目から追加料金です。
異世界へ送られる神崎レンが、《到達と境界》の女神メガチ・ブルースノーから選んだ能力は《射程延長》。
石や弓がちょっと遠くまで届けば便利。
その程度のつもりだった。
「最大値でいいですよね?」
《RANGE:9999+》
――9999は最大射程ではない。
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指先で弾いた小石さえ異常な距離まで届くことを、元B級冒険者の《検証屋》アルベルトに発見されたレン。
「まだ試してないですよね?」
その一言から、平穏な冒険者生活がおかしくなっていく。
小石を投げる。
薬を投げる。
食料を投げる。
通信水晶を投げる。
木箱を百七十キロ先へ投げる。
そして疫病によって完全封鎖された村から救援要請が届き――。
「聖女様も投下してください」
「人間は荷物じゃねえ!」
女神から貰った《無限パラシュートボックス》を背負わせ、聖女も医者も空を飛ぶ。
その結果、本人の知らないところで《人間カタパルト》《ロックダンの英雄》《女神メガチの使徒》という噂だけが世界を駆け巡っていく。
ただし、能力が保証するのは「届く」ことだけ。
重いものは重い。
壁は抜けない。
命中率は本人次第。
無茶をすれば全身筋肉痛。
「本日の営業は終了しました」
もっと安全に届けるため始めた筋トレ。
体力作りで始めたランニング。
けれど走ってみれば、知らない道があった。
山があった。
村があった。
海があった。
そして、自分が投げた荷物を待っていた人たちがいた。
荷物なら世界の果てまで一瞬で届く。
なのに――自分がどこへ行きたいのかは、まだ分からない。
なら、走って、歩いて、乗って、この世界を見てみよう。なお、標準料金は木箱一箱まで。
二箱目から追加料金です。
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