もう一つの武士の誕生
古墳時代が終わり、稲作を中心とする弥生の世界が広がっていた。
しかし利根川流域の関東には、なお縄文の理が色濃く残っていた。
北川辺に生まれたケヤキと権現堂の集落は、自然と共に生き、人々が支え合う縄文の理の中で暮らしていた。
やがて国府が置かれ、仏教が政治に組み込まれる。中央の力は東国にも及び始め、豪族や寺院は土地を求めて勢力を広げていく。
その変化の中で、人々は気づき始める。
土地とは与えられるものではない。
守らなければ失われるものであることに。
縄文の理は、土地を守る理へと姿を変える。
そして共同体と土地を守るため、武力を担う者たちが生まれていく。
後に武士と呼ばれる人々である。
平安末期、平将門の乱はなぜ起きたのか。
将門は反逆者だったのか、それとも土地を守ろうとした武士の先駆けだったのか。
これは、本来の武士の姿がどのように生まれたのかを描く物語である。
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