不知火の弾丸
「霊力が無い? ああ、判定機がそう言うならそうなんだろうな。……だが、俺の目には視えてるぞ。お前らの後ろにいる、その化け物がな。」
怪異――それは一般人には決して視認できず、現代科学の枠外で災厄を撒き散らす「穴」だ。
その脅威を秘密裏に処理する術師育成機関『国立不知火高等学校』において、生徒の価値は「霊力」の多寡と術の強弱ですべてが決まる。
東北の廃村で、旧式ライフルを手に人知れず怪異を狩り続けてきた少年、成瀬。 彼の霊力値は「ゼロ」。測定器さえ反応しないはずの無能――。
だが、その右目だけは、名家の神童さえ見落とす怪異の「核」を、異常な精度で捉えていた。
最悪の教官・九条にその異質さを見出され、成瀬は「実戦の東北校」へと放り込まれる。
待ち受けるのは、選民意識の塊であるエリートたちと、血生臭い寮生活。「術」を誇る彼らが絶望に呑まれる時、少年は静かに眼鏡を外し、右目を開く。
火花も、詠唱も、奇跡もない。 放たれた一粒の鉛が、音もなく世界の理を撃ち抜く。
怪異――それは一般人には決して視認できず、現代科学の枠外で災厄を撒き散らす「穴」だ。
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