一宿一飯の魔法使い
魔術があたりまえに使われる世界。
けれど、「本物の魔法」だけは違う。
それは、かつて世界を壊した禁忌の力だった。
灰色の外套をまとった旅の魔法使いリュカは、その魔法を使えるにもかかわらず、心の底からそれを嫌っている。
飢えをしのぐためにも、傷を癒やすためにも、決して使わない。
それでも旅の途中、世話になった土地で、人の手だけではどうしても届かない綻びを見つけることがある。
そんなときだけ彼は、忌み嫌う魔法で「最後の一手」だけを引き受ける。
これは、世界を壊した魔法を知る男が、各地のほころびを縫い合わせ、人々に選択を返して去っていく旅の物語。
けれど、「本物の魔法」だけは違う。
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それでも旅の途中、世話になった土地で、人の手だけではどうしても届かない綻びを見つけることがある。
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