醜いあひるのお姫様~誰にも選ばれない私を、氷の騎士だけが見つけてくれました~
誰にも選ばれないと諦めていた王女が、氷の騎士と出会い、王宮の外の世界へ旅に出る。
古い伝承と、食い違う物語。その奥に隠された、三つの国の秘密。
エステリア王国の第一王女アヤ・ソヴェールは、ふくよかな容姿を「醜いあひるのお姫様」と嘲られてきた。夜会では誰にも誘われず、縁談も来ない。それでもアヤは、傷ついた者がいれば手を差し伸べ、妹たちや国のために、自分にできることをする。誰かに選ばれることなど、とうに望んでいなかった。
そんなアヤに目を留めたのが、北の国サルヴィアから来た黒騎士隊長、ジェフリー・ハルセリン。美しい顔に表情を浮かべず、どんな令嬢にも心を開かない彼は、「氷の騎士」と呼ばれていた。ジェフリーが見ていたのは、華やかな王女たちではなく、人の輪の外で黙って誰かを助けるアヤの姿だった。
ジェフリーがエステリアへ来たのは、冬ごとに祖国を襲う病を癒やすという、伝説の秘薬を探すためだった。その手がかりが記された古い書物を読めるのは、王国でただひとりアヤだけ。
アヤは王宮を出て、ジェフリーや黒騎士たちとともに、本でしか知らなかった世界へ足を踏み出す。
旅の先で待っていたのは、美しいものばかりではなかった。飢えた町。売られていく人々。王宮からは見えなかった、自分の国の姿。
本で世界を知っていた王女は、旅の中で、世界そのものを知っていく。
その隣には、いつも一人の騎士がいる。
想いを胸の奥へ押しこめてきた騎士と、好意をただの優しさだと受け取ってしまう王女。
同じ景色を見て、同じ道を歩きながら、ふたりの距離は、少しずつ変わっていく。
※小説家になろう でも掲載しています
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