眠り姫の憂鬱

 昔々あるところに、それはそれは愛らしい一人のお姫様が誕生したしました。
 お姫様の名前はアステリア。待望の世継ぎである姫の為に有能な十二人の魔法使い達が集まり、彼の者達は姫様に様々な祝福を贈りました。

 美しい容姿、歌声、優しい心——と、それらはどれもこれこ素晴らしいものばかりだったそうな。

 それぞれが祝いの言葉を添えて順々に、十一人目の魔法使いが祝福を贈り、最後に十二人目からとなった時、誕生パーティーには呼ばれなかった十三人目の魔法使いが突如現れ、その者は『アステリア姫は十八歳になった時、糸車の針が刺さって死ぬだろう』と呪いをかけてしまいました。
 とても強力な呪いは他の魔法使いにも解けず、結局十二番目の魔法使いが『糸車の針が刺さり、百年眠る』というものへと書き換えるのが精一杯だったそうです。

 ——それからしばらくは穏やかに時が流れ、アステリア姫の十八歳が誕生日がとうとうきてしまいました。運命的に導かれ、彼女の指には糸車の針が刺さり、魔法使いの贈物の通り百年の眠りの中へ。

 百年後。
 美しい姫を助けるのは、童話と同じく王子様——ではなく、獣人の王様だったものだから話はちょっと拗れていくのでした。


 ○童話『眠りの森の美女』を題材にしたTL小説。
 ○異種族恋愛・強引・執着・ちょっと昏睡姦っぽくも無くもないかも?
【R18】作品ですのでご注意ください。

【関連作品】
 完結済作品の短編集『童話に対して思うこと…作品ミックス・一話完結・ヒョウガ×アステリアの場合』
24h.ポイント 7pt
0
小説 35,692 位 / 184,509件 恋愛 15,509 位 / 56,077件