日当たりの良い借家には、花の精が憑いていました⁉︎
大学生になった河西一郎が入居したボロ借家は、日当たり良好、広い庭、縁側が魅力だが、なぜか庭には黒衣のおかっぱ美少女と作業着姿の爽やかお兄さんたちが居ついていた。彼らを花の精だと説明する大家の孫、二宮誠。銀髪長身で綿毛タンポポのような超絶美形の青年は、花の精が現れた経緯を知っているようだが……。
(表紙絵/山碕田鶴)
(表紙絵/山碕田鶴)
あなたにおすすめの小説
勇者に手柄を奪われたので、魔王討伐の報告会で質問を三つだけしました
「お前の名前を出すと、英雄譚が分かりにくくなるんだ」
魔王討伐の作戦士アルレンは、勇者に自分と仲間の功績を奪われた。
口止め料を拒み、向かったのは王の前で開かれる報告会。
「第一結界を、なぜ夜明けまで破らなかったのですか」
三つの質問と、討伐前から残る記録。
華々しい武勇伝の裏で、誰が何をしたのか。
英雄の嘘を暴き、仕事と名前を取り戻す逆転ファンタジー。
給仕係の私が触れた瞬間、王子様の番を探す水晶が光りました ~黒獅子殿下は半年前から、私を待っていたそうです~
黒獅子の王子レグルスの番を探す「番判定の儀」。
国中の令嬢が集められたその場で、給仕係のノエルは公爵令嬢に足を引っかけられ、思わず水晶に手をついてしまう。
その瞬間、水晶はまばゆい光を放った。
「不正だ」「誤作動だ」と騒ぐ令嬢たちを、王子はたった一言で黙らせる。
「この儀を望んだのは、お前たちの家だろう」
実は王子は、半年前から毎晩お茶を運んでくる彼女に気づいていて――。
没落男爵家の給仕と、一途すぎる黒獅子王子の番物語。
※この作品は、外部サイトでも掲載しております。
子供のまま大人になったヒロインの末路
エリザベスは前世の記憶を思い出し、自身が乙女ゲームの悪役令嬢であることに気付く。そしてヒロインのリーナは魅了魔法を持っていることも知っている。エリザベスは婚約者である王太子アンドリューと良好な関係を築いているのだが、学園でリーナがどう動くか分からないので警戒をしていた。しかし、リーナはアンドリューを始めとする攻略対象に近付く気配はない。しかし、リーナは魅了魔法で周囲を自分の都合の良いように動くよう操っているようだった。
そのまま二人は学園を卒業して大人になるのだが、リーナに異変が起こっていて……!?
小説家になろう、カクヨムにも掲載しています。
「先に寝ていていい」と言われたので、夫の帰りを待つのをやめました
王宮勤めの夫は、帰宅が遅い。
私はいつも居間で本を読みながら夫を待ち、帰ってきた彼と少しだけ話をしてから眠る。それが、いつの間にか毎日の習慣になっていた。
けれど、ある晩、
「君まで付き合う必要はない。先に寝ていていい」
夫にそう言われた。
確かに、私が起きて待っている必要などない。食事も湯も、使用人たちがきちんと用意してくれる。
だから、その日から私は夫の言葉どおり、先に休むことにした。
ただそれだけのことだったはずなのに、夫の様子が少しずつおかしくなっていく。
妹の進学祝いに、両親は私が四年間貯めたお金を使いました。
大学の卒業式の日、私はとびきり印象に残る「卒業祝い」を受け取った。
スマートフォンに銀行からの通知が届いたのは、式を終えて着替えた直後だった。四年間、アルバイトと奨学金、それに研究室の補助業務でもらった謝金を少しずつ貯めてきた口座から、百五十万円が消えている。
送金したのは、母だった。
その口座は高校生の頃に作ったものだった。当時は母がキャッシュカードや認証の設定を管理していて、大学に入ってからはほとんど私自身が使っていたものの、昔の設定をきちんと変えないままにしていた。
二十二歳になった今、そのことをこんな形で後悔するとは思わなかった。
「美月は第一志望の国立には届かなかったけど、星華大には受かったんだから。受験で一年頑張ったんだし、進学祝いくらいしてあげたいでしょう?」
母は悪びれもしなかった。
「お金はお母さんが借りたことにして。星奈はお姉ちゃんなんだから、こんなときくらい水を差さないでよ」
百五十万円。
深夜のコンビニ、週末の家庭教師、奨学金、研究室の補助業務。四年間かけて貯めたお金だった。
大学院へ進んでからの生活費も、引っ越し代も、入学準備に必要なお金も入っている。
何より、いざというときに自分で逃げられるように用意していたお金だった。
兄の陽介は、私の肩を軽く叩いて笑った。
「星奈は昔からしっかりしてるし、今回は美月に譲ってやれば? 俺もまだ入社したばっかで余裕ないけど、落ち着いたら卒業祝いするからさ」
幼なじみの相沢智也まで、母たちの側についた。
「叔父さんたち、旅行ももう予約してるんだろ? お金のことは帰ってから話せばいいじゃん。せっかくの卒業式なのに、そんな顔して終わるのもったいないよ」
私は、楽しそうに荷物を持って出ていく家族を黙って見送った。
誰も知らない。
私はもう、彼らが帰ってくるのを待つつもりなどなかった。
四年間付き合ってきた恋人、久我蒼士が桐葉市役所の近くで待っている。
婚姻届も、とっくに二人で書き終えていた。
昨日までの私は、大学院が始まって生活が落ち着いてから家を出ようと思っていた。
けれど、もう十分だった。
今日からは、自分の人生を生きる。
藤原家へ戻ることも、もうない。
「君を愛することはない」と毎日言われたので、離縁の日だけは聞きに行きませんでした
「君を愛することはない」 夫にそう言われながら、セシリアは一年間、二人分の夕食を用意して待ち続けた。 けれど、婚姻を継続するか決める前夜、夫は最後の約束まで破り、幼なじみと観劇へ出かけてしまう。
翌朝、セシリアは夫の書斎を訪ねず、不更新届を提出した。 慌てて差し出された更新証書にも、もう署名はしない。
私を待たせたあなたを、これ以上待つつもりはありません。 冷遇された妻が離縁を選び、自分の暮らしと新しい恋を手にする。
手柄はぜんぶ上司のもの、責任は私。解雇された家庭教師ですが、大公さまと姫さまが「先生はあなただけ」と連れ戻しに来ました
三年間、大公家の姫さまにつきっきりで教えたのは私。なのに報告書の署名は首席教育官のもの、俸給からは謎の「指導料」を天引き、あげく披露会の失敗を押し付けられて即日解雇――。けれど一週間後、下町の私塾に現れたのは、姫さま本人と、噂の無口な大公さまでした。「娘の先生は、君だけだ」。正当な待遇と不器用な溺愛、そして愛しい教え子との再会。御前披露会の晴れ舞台で、八歳の姫さまが放つ、誰にも書き換えられない証言とは。働くあなたに捧げる、あたたかくて痛快なざまぁ。全六話。