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第205話 シュウとエリスは表裏一体!
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闇魔法二大奥義の存在と僕を闇の底に堕とす為にマリー、レーニャさん、レイニーが暗躍していたことを知った。僕のためとは言え、数々の悪行、『異世界三大悪女』として僕の記憶の中に残り続けるだろう…… と思う『シュウ』です。
「ハルタン史上最強の天才と呼ばれた可愛いエリスが闇魔法二大奥義を習得出来なかったのでしょうか?」
「それはね。エリスの光属性が強すぎるからよ。光属性は慈悲の性質を持っているの」
「慈悲の性質?」
「シュウ君の闇属性は相手を我が事とし、相手に寄り添う、エリスの光属性は慈悲の心、優しくあたたかい心でで相手を包むのよ。簡単に言えば、エリスは太陽であり昼、シュウ君は月であり夜を象徴しているわ」
「私が太陽…… 昼……」
「僕が月で…… 夜……」
「あなた達二人は、二人で一つ。荷車の車輪のような存在なの。どちらかが欠けたら荷車は動かないように、この世界に出合うべくして出会った存在…… 表裏一体の関係なのよ」
「僕はエリス様とロッシュウ様の生まれ変わりだけかと思っていました」
「それもありますが、それだけではないのです。悠久の時の流れによって結ばれた縁、世界の使命を背負った縁が、あなた達を結び付けたと私は思うわ。これは定められた運命と言っても良いわ」
「なんと言って良いか……」
「シュウ君、そんなに肩に力を入れなくても良いわ。そして、これからのあなたに闇魔法二大奥義を授けます。これは秘法、故にみんなに見せることは出来ません。あなた一人で私について来なさい。みんなはここで待っていて頂戴」
「はい…… じゃあ、エリス行ってくるよ」
「ええ、ここでシュウ君の帰りを待ってるわ」
僕とお母上様は部屋を出た。
「お母上様、どちらまで行かれるのですか?」
「開かずの間よ。この部屋は魔法の奥義を授ける場所なの」
「あの、開かずの間ですか? ソフィアちゃんが入ろうとして怒られた部屋ですよね?」
「あの子も好奇心旺盛なのは良いところなんだけど、何にでも興味津々であの時は困ったわ」
「そうですね。ハルタンに来たばっかりの頃でしたっけ?」
「フフフ、そんな時もあったわね」
◇
「さあ、開かずの間に着いたわよ」
お母上様はドアに手をかざし、何やらブツブツと唱え始めた。
『ガチャ』
お母上様はドアを開け、部屋の中へと入った。僕もお母上様のあとに続いた。部屋の中は窓もなく真っ暗だった。
『パチン』
お母上様が指を鳴らすと蝋燭の明かりで部屋は薄明かるくなった。
「シュウ君、これからあなたに闇魔法究極奥義『トラウマカイホウ』と闇魔法最終奥義『深底暗黒闇救済魔法』を授けます。部屋の真ん中に進んで頂戴」
「はい」
これから闇魔法二大奥義を授けると聞いていたけど、どんな事をするのかに不安になってしまう……
お母上様はまた呪文のようなものをブツブツと唱え始めた。
しばらくすると、
「これで終わりよ」
これと言って何かしら変わったような気がしなかった。正直あまりの呆気なさに、これで良いのかと感じてしまうくらいだった
「呆気ないと思ったでしょ?」
「ええ、どんなものかと身構えていましたが、これで良かったのですか?」
「呆気なく感じたのは、もうあなたの中に闇魔法二大奥義を受け入れるだけの器があったって事よ。器の無いものに授けたら身体中激痛が走り、まともに立っていられないわ」
「激痛が走る!? もしかしたら激痛で悶えていたかも知れないって事ですよね?」
「そ、そうね」
「最初から教えてくれたって良いじゃないですか?」
「あなたに最初から言ってたら逃げてたでしょうに!」
「それは、否定しませんが……」
「そうでしょ! 大事な場面だとあなたにビビりになっちゃうからね」
「……………………」
「まあ、良いわ。奥義の簡単な説明をするわね。闇魔法究極奥義『深底暗黒闇解放魔法』は使った相手の奥底にある負の感情を表に出して、相手から負の感情を抜く魔法よ。そして、闇魔法最終奥義『深底暗黒闇救済魔法』は抜いた負の感情を浄化する為の魔法よ」
「二つで一つと言うことですか?」
「そうよ。負の感情を一度、自分の身体に受け入れて、その受け入れた負の感情を浄化して自分の身体の外に出すの。ここで一番大事なのは負の感情を身体に受け入れるだけの器があるかどうかなの。その器がなければ、魔法自体失敗して、あなたも闇の住人になるのよ。だからこそ負の感情を理解し、その負の感情に負けないくらいの心の強さと経験が必要になって来るのよ」
「はい、わかりました……」
◇
と言う事があったのです。
「それであんな魔法が使えるようになったのか」
「そうですね。多分ですが、お母上様はこのような展開になることを予想して、僕に闇魔法二大奥義を授けて下さったと思います」
「さすがアリエスね」
「父上、母上。先程から魔法とかハルタンとか自分達にもわかるように説明していただけますか?」
「おお、そうだったな。お前達は知らないから何を言っているか理解できないよな。すまん」
「いえ、父上。そんな……」
「エリスちゃん。すまないが説明をしてもらっても良いだろうか?」
「はい」
それから、エリスは兄上達に分かりやすいようにハルタンと魔法について説明をした。因みに魔法から魔導に変わったことも付け加えていた。
父上達には話していなかったが、実はお母上様とのやり取りには続きがあった。
「ハルタン史上最強の天才と呼ばれた可愛いエリスが闇魔法二大奥義を習得出来なかったのでしょうか?」
「それはね。エリスの光属性が強すぎるからよ。光属性は慈悲の性質を持っているの」
「慈悲の性質?」
「シュウ君の闇属性は相手を我が事とし、相手に寄り添う、エリスの光属性は慈悲の心、優しくあたたかい心でで相手を包むのよ。簡単に言えば、エリスは太陽であり昼、シュウ君は月であり夜を象徴しているわ」
「私が太陽…… 昼……」
「僕が月で…… 夜……」
「あなた達二人は、二人で一つ。荷車の車輪のような存在なの。どちらかが欠けたら荷車は動かないように、この世界に出合うべくして出会った存在…… 表裏一体の関係なのよ」
「僕はエリス様とロッシュウ様の生まれ変わりだけかと思っていました」
「それもありますが、それだけではないのです。悠久の時の流れによって結ばれた縁、世界の使命を背負った縁が、あなた達を結び付けたと私は思うわ。これは定められた運命と言っても良いわ」
「なんと言って良いか……」
「シュウ君、そんなに肩に力を入れなくても良いわ。そして、これからのあなたに闇魔法二大奥義を授けます。これは秘法、故にみんなに見せることは出来ません。あなた一人で私について来なさい。みんなはここで待っていて頂戴」
「はい…… じゃあ、エリス行ってくるよ」
「ええ、ここでシュウ君の帰りを待ってるわ」
僕とお母上様は部屋を出た。
「お母上様、どちらまで行かれるのですか?」
「開かずの間よ。この部屋は魔法の奥義を授ける場所なの」
「あの、開かずの間ですか? ソフィアちゃんが入ろうとして怒られた部屋ですよね?」
「あの子も好奇心旺盛なのは良いところなんだけど、何にでも興味津々であの時は困ったわ」
「そうですね。ハルタンに来たばっかりの頃でしたっけ?」
「フフフ、そんな時もあったわね」
◇
「さあ、開かずの間に着いたわよ」
お母上様はドアに手をかざし、何やらブツブツと唱え始めた。
『ガチャ』
お母上様はドアを開け、部屋の中へと入った。僕もお母上様のあとに続いた。部屋の中は窓もなく真っ暗だった。
『パチン』
お母上様が指を鳴らすと蝋燭の明かりで部屋は薄明かるくなった。
「シュウ君、これからあなたに闇魔法究極奥義『トラウマカイホウ』と闇魔法最終奥義『深底暗黒闇救済魔法』を授けます。部屋の真ん中に進んで頂戴」
「はい」
これから闇魔法二大奥義を授けると聞いていたけど、どんな事をするのかに不安になってしまう……
お母上様はまた呪文のようなものをブツブツと唱え始めた。
しばらくすると、
「これで終わりよ」
これと言って何かしら変わったような気がしなかった。正直あまりの呆気なさに、これで良いのかと感じてしまうくらいだった
「呆気ないと思ったでしょ?」
「ええ、どんなものかと身構えていましたが、これで良かったのですか?」
「呆気なく感じたのは、もうあなたの中に闇魔法二大奥義を受け入れるだけの器があったって事よ。器の無いものに授けたら身体中激痛が走り、まともに立っていられないわ」
「激痛が走る!? もしかしたら激痛で悶えていたかも知れないって事ですよね?」
「そ、そうね」
「最初から教えてくれたって良いじゃないですか?」
「あなたに最初から言ってたら逃げてたでしょうに!」
「それは、否定しませんが……」
「そうでしょ! 大事な場面だとあなたにビビりになっちゃうからね」
「……………………」
「まあ、良いわ。奥義の簡単な説明をするわね。闇魔法究極奥義『深底暗黒闇解放魔法』は使った相手の奥底にある負の感情を表に出して、相手から負の感情を抜く魔法よ。そして、闇魔法最終奥義『深底暗黒闇救済魔法』は抜いた負の感情を浄化する為の魔法よ」
「二つで一つと言うことですか?」
「そうよ。負の感情を一度、自分の身体に受け入れて、その受け入れた負の感情を浄化して自分の身体の外に出すの。ここで一番大事なのは負の感情を身体に受け入れるだけの器があるかどうかなの。その器がなければ、魔法自体失敗して、あなたも闇の住人になるのよ。だからこそ負の感情を理解し、その負の感情に負けないくらいの心の強さと経験が必要になって来るのよ」
「はい、わかりました……」
◇
と言う事があったのです。
「それであんな魔法が使えるようになったのか」
「そうですね。多分ですが、お母上様はこのような展開になることを予想して、僕に闇魔法二大奥義を授けて下さったと思います」
「さすがアリエスね」
「父上、母上。先程から魔法とかハルタンとか自分達にもわかるように説明していただけますか?」
「おお、そうだったな。お前達は知らないから何を言っているか理解できないよな。すまん」
「いえ、父上。そんな……」
「エリスちゃん。すまないが説明をしてもらっても良いだろうか?」
「はい」
それから、エリスは兄上達に分かりやすいようにハルタンと魔法について説明をした。因みに魔法から魔導に変わったことも付け加えていた。
父上達には話していなかったが、実はお母上様とのやり取りには続きがあった。
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