極悪人は仮面越しのまま彼女を溺愛する

 柔和な笑み、礼儀正しい振る舞い。
 すべてに置いて完璧なその男は、

「お嬢様、今夜もお守り致します」

 ───私の唯一無二のボディガード
 ともに過ごした年月は、十三年。
 信頼は固く、自分を裏切るなんてありえない。

「お嬢様、今夜は月が綺麗ですね。
御両親には内緒で、二人で逃避行でもいたしませんか?」

 甘い響きに思わず惑わされそうになる。

「お美しいですよ、お嬢様」

 だけど。
 あなたは私に何か隠している気がする。
 その仮面の裏に潜むものは、一体───
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