吸血鬼と棘荊

人の世に身を潜め、そして人とは永久に相容れぬもの。
吸血鬼は人を蔑んだ。
人は吸血鬼を忌み嫌った。

価値観の違う両者の世界は決して交わらない。

__________筈だった。

あり得てはいけない筈の間違いが、起こってしまったのだ。

吸血鬼に自身を化け物にされ、全てを奪われた在りし日の少女は復讐を誓う。
殺せ、壊せ、奪われたものを奪い尽くせ、血の一滴すら残してはならぬ。
大人になった今でも変わらない、燃え盛る業火は彼女自身を焼き尽くそうとしていた。

それは運命の悪戯か。
それとも罪なき者への罰か。
それとも彼の宿命か。

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憎かった筈なのに。
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