月負いの縁士
「てめ、あぶねぇところ助けてやったのに、なにさま」
「月見郁です!」
宵の刻、月明かりが作り出す影が人々を襲う──「夜ノ怪<ヨルノケ>」は伝承の産物で都市伝説のはずだった。月光を覆う化け物──「月喰い<ツキクイ>」と彼らは呼ばれ、襲われた者は日光に耐性が低くなり、昼行性動物としての特性が弱まり、衰弱していく奇病「陽退症<ようたいしょう>」を患うとして、密かに恐れられていた。
月夜のみ口が利ける「"陽退症"」を患う、月見郁<つきみかおる>はバイトからの帰り道、月喰いと戦う青年・成清葉月<なるせはつき>と出会う。
成清は国家公認の自治組織──裏月<うらづき>一門で月喰いを退治する「影斬り<かげきり>」として、特例措置により、帯刀や独自法の適用が許されていた。
「真っ暗でも目印になっていいですね、あなたの目って」
罪証である、成清の紅染の瞳を郁は恐れない。彼を月喰いとの戦いに巻き込んでしまったと自責の念から成清は、裏月第三位・弥生の立華陽惟<たちばなはるい>の元へ連れていく。
「私の目をじっと見つめていてくださいね」
重度の陽退症で病床に伏せる彼は、人の意図や未来を見通す不思議な力を持っていた。人離れした神通力を恐れ、誰も彼と目を合わせようとはしなかったのだが、郁はそんな病に侵されていく透視の瞳を「美しい」とのぞき込む。
断ち斬れぬ因縁と柵<しがらみ>の中で彼らは、這いつくばり、もがき、求める声のする方へ手を伸ばす。
月喰いを滅する宿命の血族・裏月<うらづき>十二門と月輪を覆う巨体・満月食い<フルムーンイーター>との縁切り討伐譚。
罪と因縁の満ち欠け、ダークファンタジーBL『月負いの縁士<えにし>』開幕。
「月見郁です!」
宵の刻、月明かりが作り出す影が人々を襲う──「夜ノ怪<ヨルノケ>」は伝承の産物で都市伝説のはずだった。月光を覆う化け物──「月喰い<ツキクイ>」と彼らは呼ばれ、襲われた者は日光に耐性が低くなり、昼行性動物としての特性が弱まり、衰弱していく奇病「陽退症<ようたいしょう>」を患うとして、密かに恐れられていた。
月夜のみ口が利ける「"陽退症"」を患う、月見郁<つきみかおる>はバイトからの帰り道、月喰いと戦う青年・成清葉月<なるせはつき>と出会う。
成清は国家公認の自治組織──裏月<うらづき>一門で月喰いを退治する「影斬り<かげきり>」として、特例措置により、帯刀や独自法の適用が許されていた。
「真っ暗でも目印になっていいですね、あなたの目って」
罪証である、成清の紅染の瞳を郁は恐れない。彼を月喰いとの戦いに巻き込んでしまったと自責の念から成清は、裏月第三位・弥生の立華陽惟<たちばなはるい>の元へ連れていく。
「私の目をじっと見つめていてくださいね」
重度の陽退症で病床に伏せる彼は、人の意図や未来を見通す不思議な力を持っていた。人離れした神通力を恐れ、誰も彼と目を合わせようとはしなかったのだが、郁はそんな病に侵されていく透視の瞳を「美しい」とのぞき込む。
断ち斬れぬ因縁と柵<しがらみ>の中で彼らは、這いつくばり、もがき、求める声のする方へ手を伸ばす。
月喰いを滅する宿命の血族・裏月<うらづき>十二門と月輪を覆う巨体・満月食い<フルムーンイーター>との縁切り討伐譚。
罪と因縁の満ち欠け、ダークファンタジーBL『月負いの縁士<えにし>』開幕。
目次
感想
あなたにおすすめの小説
君に望むは僕の弔辞
爺誤
BL
僕は生まれつき身体が弱かった。父の期待に応えられなかった僕は屋敷のなかで打ち捨てられて、早く死んでしまいたいばかりだった。姉の成人で賑わう屋敷のなか、鍵のかけられた部屋で悲しみに押しつぶされかけた僕は、迷い込んだ客人に外に出してもらった。そこで自分の可能性を知り、希望を抱いた……。
全9話
匂わせBL(エ◻︎なし)。死ネタ注意
表紙はあいえだ様!!
小説家になろうにも投稿
何故よりにもよって恋愛ゲームの親友ルートに突入するのか
風
BL
平凡な学生だったはずの俺が転生したのは、恋愛ゲーム世界の“王子”という役割。
……けれど、攻略対象の女の子たちは次々に幸せを見つけて旅立ち、
気づけば残されたのは――幼馴染みであり、忠誠を誓った騎士アレスだけだった。
「僕は、あなたを守ると決めたのです」
いつも優しく、忠実で、完璧すぎるその親友。
けれど次第に、その視線が“友人”のそれではないことに気づき始め――?
身分差? 常識? そんなものは、もうどうでもいい。
“王子”である俺は、彼に恋をした。
だからこそ、全部受け止める。たとえ、世界がどう言おうとも。
これは転生者としての使命を終え、“ただの一人の少年”として生きると決めた王子と、
彼だけを見つめ続けた騎士の、
世界でいちばん優しくて、少しだけ不器用な、じれじれ純愛ファンタジー。
愛されたいだけなのに
まさお
BL
我儘令息だったノアは一回目の人生で最愛の人からの裏切りの末、殺される。
気がつくと人生が巻き戻っていて人生二週目が始まる。
しかしまた殺される。
何度も何度も繰り返した人生の中で自分が愛されることを諦めてしまう。
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
世間に秘された名門男子校・平坂学園体育科
空手の名選手であった高尾雄一は、新任教師として赴任する
高潔な人格と鋼のように鍛えられた肉体
それは、学園にとって最高の生贄の候補に他ならなかった
至高の筋肉を持つ、精神を削られ意志をなくした青年を太古の神に捧げるため、“水”、“風”、“土”の信奉者達が暗躍する
意志をなくし筋肉の操り人形と化した“デク”
消える教師
山奥の男子校で繰り広げられるダークファンタジー