傷を引き受ける伯爵令嬢は、帝国皇太子の最愛になる ――白百合の聖女に名前も奇跡も奪われましたが、もう誰の痛みも命令では背負いません
伯爵令嬢アリシアは、八歳の頃から十二年間、地下礼拝堂に鎖でつながれていた。
彼女が持つのは、他人の傷や毒を自分の体へ移す〈身代わりの恩寵〉。父ガストンはその力を利用し、治療の功績を異母妹ミレーヌのものとして偽っていた。
人々から〈白百合の聖女〉と称えられるミレーヌは、アリシアの奇跡だけでなく、隣国グランツ帝国の皇太子レオンハルトへ送る手紙まで奪い、未来の帝国皇后となろうとしていた。
婚約披露の日、父はミレーヌの奇跡を演出するため、レオンハルトへ毒矢を放つ。
アリシアが毒と傷を引き受ければ、皇太子は救われ、ミレーヌは真の聖女として認められる。たとえアリシアが死んでも、誰も困らない――。
そうなるはずだった。
「俺を救った女は、今、俺の腕の中で血を流している。お前の白い衣装には、血の一滴もついていないな」
意識を取り戻したレオンハルトは、鎖につながれたアリシアと、彼女が書いた四十七通の手紙の真実に気づく。
聖女の名も、奇跡も、言葉も奪っていた妹。
娘を道具として使い、皇太子襲撃まで企てた父。
侯爵への昇爵と、帝国皇后の座を目前にしていた二人は、その最も華やかな夜にすべてを失っていく。
一方、帝国へ救い出されたアリシアは、レオンハルトから「もう誰の傷も命令では背負うな」と告げられる。
誰かの役に立たなければ生きる価値がないと思っていた彼女は、尊大でありながら決して心を奪おうとはしない皇太子に溺愛され、少しずつ自分の人生を選ぶことを覚えていく。
やがてアリシアは、虐げられた令嬢ではなく、恩寵を持つ者たちを守る法律を作る一人の女性として立ち上がる。
これは、家族に傷も功績も名前も奪われた伯爵令嬢が、自分の意思で幸福を選び、帝国皇太子の最愛となる逆転シンデレラストーリー。
あなたにおすすめの小説
婚約破棄をさせてよ
次々と女性と浮き名を流す婚約者のクリスとの婚約破棄を決意したアンジュ。その婚約破棄の理由は、クリスには思いもよらないものだった……。
コメディーです。下品な言葉が飛び交うので15禁です。
悪役令嬢は努力を無駄にされたくない。
令嬢転生が叶ったラティーシャは、第一王子の婚約者として、努力を積み重ねてきた。
しかし、ぽっと出の男爵令嬢のせいで、婚約破棄イベントが起きそう……?
そんなことは許さない。悪役令嬢は微笑む。努力を無駄にはさせない。
終わりにします
「終わりにします」
その言葉とともに、侯爵令嬢シルヴィアは毒を飲んだ。
婚約者は妹を選び、父は妹だけを信じた。
誰にも必要とされなかった人生を終えたはずなのに、目を覚ますと三か月前へと時間は巻き戻っていた。
もう、誰かに愛されるためだけに生きるのはやめよう。
そう決めた彼女は、静かに運命を書き換えていく。
これは、一度死んだ少女が、自分自身の人生を取り戻すための物語。
【完結】魅了が解けたので貴方に興味はございません。
「こんなに、こんなにこんなに愛してるのに……!!」
公爵令嬢のサラは婚約者である王太子を盲目的に愛していた。どんなに酷くされても嫌いになれない、そんな感情で狂いそうになりながらも王太子への愛だけを信じ続けてきた。
あるパーティーの夜、大勢の前で辱しめを受けたサラの元に一人の青年が声をかける。どうやらサラは長年、ある人物に魅了と呼ばれる魔術をかけられていた。魔術が解けると……
「……あれ?何で私、あんなクズのこと愛してたのかしら」
目が覚めた公爵令嬢の反撃が始まる。
※未完作品のリメイク版。一部内容や表現を修正しております。執筆完了済み。
「なんでこんなことしたの」というご質問ですが、本当に理由をお知りになりたい?
「ひどいですわ、スカーレット様!どうして私にこんな仕打ちを!?」
王太子の婚約者スカーレットは、王太子にすりよる男爵令嬢を平手打ちした。そこで返ってきたのが「どうしてこんなことを」という質問である。
わからないなら、丁寧にご説明して差し上げるわ。でも、本当に大丈夫かしら。
――全部説明されたら、あなた破滅するわよ?
※小説になろうにも投稿しています
うちの婚約者、たぶん攻略対象です
七歳の誕生日に前世の記憶を取り戻したアリアナは、自分が乙女ゲームの攻略対象レイナルトの婚約者だと知る。
将来の面倒事を避けるため、彼から距離を置こうと決意するアリアナ。しかし、中庭でも図書館でも購買でも、なぜか行く先々でレイナルトと遭遇してしまう。
避けているはずなのに近づいてくる婚約者。そんな彼には、アリアナを追いかける理由があるようで――。
【完結】旦那様には好きな人がいる
私の旦那様である、テオドール・セルヴァン侯爵様には好きな人がいる。
それは、幼馴染であり、王太子妃でもあるマチルダ様だ。
お二人は、いつもとても仲睦まじいご様子で、そんな叶わぬお二人の恋をそっと見守るのが私の日常だった。
そんなある日、夜会にめったに顔を出さない王太子殿下に、ダンスに誘われて。それがきっかけで、私の日常は少しずつ変化し始めた。