傾国の美兄が攫われまして。
のどかな春の日差しがゆるゆるとふりそそぐなか、
王宮の一角にある庭園ではいくつものテーブルと椅子が据えられ、
思い思いの席に座る貴族の女性たちの上品な話声がゆったりと流れていた。
そんななか、ひときわきりりとした空気をまとった令嬢がひとり、物憂げなため息をついていた。
彼女の名はヴァレンシア。
辺境伯の娘で。
三歳上の兄がひとりいる。
彼は『傾国の』が冠される美青年だった。
美女と見紛う中性的な美貌の兄と
美青年と見紛う中性的な風貌の妹。
クエスタ辺境伯の兄妹を取り巻く騒動と恋愛模様をお届けします。
※ 一年くらい前に思いついた設定を発掘し練り直しておりますが。
安定の見切り発車です。
気分転換に書きます。
※ 他サイトにも掲載しております。
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