せんぱい、けんかの売り方教えてあげましょうか
――茶番だなと思うことがよくある。そんな穂足ゆうは、ややブラック気味の会社で経理をしている、アラサー女子社員である。
仕事にも人生にも嫌気が差しているのに、そこから抜け出すことができない。家族とは疎遠で、恋人もない。晩酌はいつもひとりで、それが当たり前になっていた。
そんな ゆう の後輩で、同じ経理課所属の八鍬みさき。ゆう より二歳下の彼女は、人当たりがよく、仕事もでき、容姿も整っている。気配りもできる八鍬を、ゆうは頼もしくも羨ましく思い、距離を保ったまま、先輩と後輩の関係を続けていた。
月末の最終営業日の金曜、午後九時。ゆうは八鍬にふたりだけで呑みにいかないかと誘われた。普段なら絶対に受けないお誘いを断りきれず、連れて行かれた茹でタンのお店で、まさかの八鍬の退職予定を告げられた。おまけに別れ際にキスされて――。
◆
退職宣言からはじまるかもしれない、恋愛経験なしのアラサー女子ふたりの新しい関係のお話です。
別名でピクシブに公開していたものを転載。
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