「無能な帳簿係」と追放されました――その帳簿に、伯爵家の罪が全部書いてありました
「お前に教えたものなど、この家にはひとつもない」
エルフェルト伯爵家で十一年、帳簿をつけてきた養女ミラは、義姉の婚約が決まった朝、「数字しか読めぬ無能」として追放された。持ち出したのは、自分が書き溜めた十一年ぶんの帳簿だけ。
帳簿を読み返して気づいた。雑費に紛れた横領、偽の血統証明、「病死」と処理された不審な死——伯爵家の罪が全部、自分の字で書いてあった。
王室から派遣された監査官レオは、数字が読めない。だが制度と法には誰よりも精通していた。数字を読むミラと、法を読むレオ。二人で帳簿を突き合わせ、伯爵家の嘘をひとつずつ暴いていく。
帳簿にはもうひとつ、秘密が眠っていた。毎年三月三日、「白き花、一束、二ソル」——意味も知らず書き続けたその行は、養母がひとりで墓に供えていた白百合の記録だった。花が誰への花だったかを知ったとき、ミラは自分が何者かを知る。
伯爵家の嘘をすべて暴いたミラを、帳簿の数字ではなく、ひとりの女性として見つめていたのは、数字の読めない監査官だった。
エルフェルト伯爵家で十一年、帳簿をつけてきた養女ミラは、義姉の婚約が決まった朝、「数字しか読めぬ無能」として追放された。持ち出したのは、自分が書き溜めた十一年ぶんの帳簿だけ。
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王室から派遣された監査官レオは、数字が読めない。だが制度と法には誰よりも精通していた。数字を読むミラと、法を読むレオ。二人で帳簿を突き合わせ、伯爵家の嘘をひとつずつ暴いていく。
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