仮面の公爵様と悪役令嬢 ~教養がないと婚約破棄されましたが、王妃ルートに乗りました~

私はサラ・ブロック。伯爵令嬢だ。
母親から受け継いだ清楚な美貌のせいで、いつも従順さを期待される。

だけど、ただお飾りのように男の財産として生きる人生なんてつまらない。

「男に生まれていたら、国のために領土拡大しまくったのに」

そんなわけで、私はこの度イェーリス卿から婚約破棄を言い渡された。
粗暴、教養がない、妹を虐めるという汚点コンボを叩きつけられたのだ。

「ふんっ。馬鹿にしないでよね」

噂は瞬く間に広がり、社交界ですっかり相手にされなくなってしまった。

父親や親戚に迷惑をかけたのはまずかった。
なんとか名誉挽回を……と思っていた時、彼が現れた。

「サラ・ブロック。私の妻になってほしい」

ギルベルト公爵オリヴァー・ヤン・フェダーク。
生まれつきの痣を隠し、決して素顔を見せないという、あの。

「仮面の公爵様!?」

興奮して叫ぶ私に、彼は微笑んでこう言った。

「その強さ、気に入った」

差し出される手を握り、私の胸は熱く踊った。

この時はまだ、彼の本当の秘密を知りもしなかった。

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(※他「エブリスタ」様に投稿)
〇2020/9/20、サラの娘たちの物語を連載スタートしました!
それぞれカラーが違い、単発でもお読み頂けます。ご覧頂けましたら幸いです。

長女アン『あなたを守りたい ~婚約破棄でも男装して追いかけて、王妃ルートに乗りました~』
次女セリーヌ『あなたを縛りたい ~絶世の美女ですが脳筋王を転がして、王妃ルートに乗りました~』
三女ソフィア『あなたにはもう騙されない ~オレ様に恋した小悪魔炸裂な姫ですが、王妃ルートに乗りました~』
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