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30話
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「ありがとう、アラン様、いただきます!」
メイは美味しそうにパクパク食べていた。
「メイ、さっきのマーク・ブリスだっけ?
何て言ってきたんだ?まさかよりを戻そうとか?」
「………うん、お腹の子どもが出来たと言ってたんだけど、本当は出来ていなかったらしいの。それで喧嘩して彼女は他の男の人のところへ行ってしまって、またよりを戻そうと言ってきてしつこいんだよね」
「ふうん、メイは嫌なんだろ?」
「うん、だって浮気男だよ?無理無理、絶対に無理、どうせまた浮気するよ」
「まあ、確かにそうだよね」
「それよりアラン様、Bランチのそのトンカツ少しわたしの魚のフライと交換して欲しいんだけど……」
俺のトレーをじっと見て、フォークを伸ばしてきた。
「ほんと、メイは食い意地がはってるよ。ほら食え!」
俺は面倒だったので、フォークに刺したトンカツをメイの口に入れた。
「美味しい!」
ニコニコして口を頬張って食べているメイを見て、
「なにか困ったことがあったら相談しろよ」
と言ってメイの髪をくしゃっとしたら、何故か周りから悲鳴が聞こえた。
「アラン様って人気者ね。わたしの口に食べ物いれるの見ていた周りの女性が、わたしを睨んでいるよ。ついでにわたしの髪を触るからしばらくわたしマークより女性達のほうを気にしないといけないかも」
「はあ?何言ってんの?」
「アラン様って無自覚過ぎ!まあ、平気で一緒にご飯食べてるわたしもこの後の事を考えたらちょっと怖いかも」
メイは楽しそうに言った。
「お前が怖いなんてあり得ないだろう?」
「あら?失礼ね、でもアラン様女って怖いのよ」
「……知ってる……」
「ふふ、わたしケーキを食べよう!アラン様、わたしの為に一緒に居てくれてありがとう。おかげでマークが近づいて来なかったわ」
「気づいてたのか?」
「うん、だってこっちを伺ってチラチラ見て来るんだもん」
「あいつ、しつこいかもしれない。騎士団の団長に声を掛けておくよ、本当に何かあったらすぐに俺に言え!仕事が終わったら寮に帰るのか?」
「うん、帰りはみんなと一緒に帰るから大丈夫よ」
「わかった。時間が合えば迎えに行く」
「アラン様って過保護だね、わたしマークの事が終わったら今度は女性から今度は何かされそうだわ」
「はあ、お前見てると助ける必要なさそうな気がしてきた。でも何かあったらいけないからな」
「お義姉様が悲しむから?」
「その話はもういいよ、みんなまだそう思っているみたいだけど、違うから。ただまだ好きな人がいないだけだから」
俺はうんざりした。
でもメイは、そんな俺の気持ちをわかって言う。
「アラン様がさっさと新しい恋愛をしないからだよ。引きずっているように見えてしまうの」
「恋愛かぁ、今は面倒だ」
「ふうん、じゃあ、ひと月だけわたしの恋人にならない?」
「は?何それ?」
「マーク避けとアラン様ファン避け!そしてわたしをひと月後思いっきり振ってくれれば、アラン様ファンに何もされないわ」
「………あり得ない」
俺はメイと別れ、仕事に戻った。
「昼間、侍女と食事をしていたらしいな」
同僚達から冷やかしが始まった。
ほんとみんな暇な奴ら。
俺が誰と飯を食おうとどうでもいいと思う。
そんな時、今日の護衛についていたカイルが俺に話しかけてきた。
「アラン、メイと昼食だったんだろう?」
「はい、メイ・ボガード嬢と食事をしておりました」
俺とアランは今は王族と護衛騎士。
身分が違うので話す時は、もちろん敬語になる。
「メイに何かあったの?」
「はい、メイ・ボガード嬢の元婚約者のマーク・ブリスが嫌がる彼女にしつこく言い寄っておりましたので何かあってはいけないので、護衛の意味も兼ねて昼間は一緒におりました」
「そうか……メイのことだからはっきり断りすぎて相手を怒らせているかもしれないね」
「一応牽制しておきました。何かあればすぐにわたしに言うように伝えてあります」
カイルは苦笑しながら
「うん、アラン、今は三人なのでその話し方ちょっとやめて」
と言われた。
「……ふう。ではここからは友人として……」
同僚は俺とカイルの仲を知っているので、頷いてくれた。
「メイがひと月だけ恋人にならないかと言い出したんだ」
「えっ?」
カイルは驚いて俺の顔を見た。
メイは美味しそうにパクパク食べていた。
「メイ、さっきのマーク・ブリスだっけ?
何て言ってきたんだ?まさかよりを戻そうとか?」
「………うん、お腹の子どもが出来たと言ってたんだけど、本当は出来ていなかったらしいの。それで喧嘩して彼女は他の男の人のところへ行ってしまって、またよりを戻そうと言ってきてしつこいんだよね」
「ふうん、メイは嫌なんだろ?」
「うん、だって浮気男だよ?無理無理、絶対に無理、どうせまた浮気するよ」
「まあ、確かにそうだよね」
「それよりアラン様、Bランチのそのトンカツ少しわたしの魚のフライと交換して欲しいんだけど……」
俺のトレーをじっと見て、フォークを伸ばしてきた。
「ほんと、メイは食い意地がはってるよ。ほら食え!」
俺は面倒だったので、フォークに刺したトンカツをメイの口に入れた。
「美味しい!」
ニコニコして口を頬張って食べているメイを見て、
「なにか困ったことがあったら相談しろよ」
と言ってメイの髪をくしゃっとしたら、何故か周りから悲鳴が聞こえた。
「アラン様って人気者ね。わたしの口に食べ物いれるの見ていた周りの女性が、わたしを睨んでいるよ。ついでにわたしの髪を触るからしばらくわたしマークより女性達のほうを気にしないといけないかも」
「はあ?何言ってんの?」
「アラン様って無自覚過ぎ!まあ、平気で一緒にご飯食べてるわたしもこの後の事を考えたらちょっと怖いかも」
メイは楽しそうに言った。
「お前が怖いなんてあり得ないだろう?」
「あら?失礼ね、でもアラン様女って怖いのよ」
「……知ってる……」
「ふふ、わたしケーキを食べよう!アラン様、わたしの為に一緒に居てくれてありがとう。おかげでマークが近づいて来なかったわ」
「気づいてたのか?」
「うん、だってこっちを伺ってチラチラ見て来るんだもん」
「あいつ、しつこいかもしれない。騎士団の団長に声を掛けておくよ、本当に何かあったらすぐに俺に言え!仕事が終わったら寮に帰るのか?」
「うん、帰りはみんなと一緒に帰るから大丈夫よ」
「わかった。時間が合えば迎えに行く」
「アラン様って過保護だね、わたしマークの事が終わったら今度は女性から今度は何かされそうだわ」
「はあ、お前見てると助ける必要なさそうな気がしてきた。でも何かあったらいけないからな」
「お義姉様が悲しむから?」
「その話はもういいよ、みんなまだそう思っているみたいだけど、違うから。ただまだ好きな人がいないだけだから」
俺はうんざりした。
でもメイは、そんな俺の気持ちをわかって言う。
「アラン様がさっさと新しい恋愛をしないからだよ。引きずっているように見えてしまうの」
「恋愛かぁ、今は面倒だ」
「ふうん、じゃあ、ひと月だけわたしの恋人にならない?」
「は?何それ?」
「マーク避けとアラン様ファン避け!そしてわたしをひと月後思いっきり振ってくれれば、アラン様ファンに何もされないわ」
「………あり得ない」
俺はメイと別れ、仕事に戻った。
「昼間、侍女と食事をしていたらしいな」
同僚達から冷やかしが始まった。
ほんとみんな暇な奴ら。
俺が誰と飯を食おうとどうでもいいと思う。
そんな時、今日の護衛についていたカイルが俺に話しかけてきた。
「アラン、メイと昼食だったんだろう?」
「はい、メイ・ボガード嬢と食事をしておりました」
俺とアランは今は王族と護衛騎士。
身分が違うので話す時は、もちろん敬語になる。
「メイに何かあったの?」
「はい、メイ・ボガード嬢の元婚約者のマーク・ブリスが嫌がる彼女にしつこく言い寄っておりましたので何かあってはいけないので、護衛の意味も兼ねて昼間は一緒におりました」
「そうか……メイのことだからはっきり断りすぎて相手を怒らせているかもしれないね」
「一応牽制しておきました。何かあればすぐにわたしに言うように伝えてあります」
カイルは苦笑しながら
「うん、アラン、今は三人なのでその話し方ちょっとやめて」
と言われた。
「……ふう。ではここからは友人として……」
同僚は俺とカイルの仲を知っているので、頷いてくれた。
「メイがひと月だけ恋人にならないかと言い出したんだ」
「えっ?」
カイルは驚いて俺の顔を見た。
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