春にとける、透明な白。

彼女のことを綴る上で欠かせない言葉は「彼女は作家であった」ということだ。
 僕が彼女を知ったその日から、そして、僕が彼女の「読者」になったその日から。
 彼女は最後まで僕にとっての作家であり続けた。作家として言葉を残し続けた。

 いまはもう、その声を耳にすることは出来ないけれど。もしかすると、跡形もなく、僕らの存在は消えてしまうのかもしれないけれど。作家であり続けた彼女の言葉はこの世界に残り続ける。残ってほしいと思う。だから、僕は彼女の物語をここに綴る事にした。

 我儘で、自由で、傲慢で。
 それでいて卑屈で、不自由で、謙虚だった長い黒髪が似合う、彼女の事を。
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