境界の音

大学二年の榊真樹は、臨床心理学科教授の紹介で映像関連企業のインターンに入る。
慣れないオフィスでの雑務に追われる日々、営業の高木歩だけは、真樹の不安を切り捨てない人だった。

距離の近い声、触れそうで触れない手、名前の呼び方ひとつで揺れる心。
惹かれてはいけない、と分かっているのに、真樹の身体はその優しさを覚えてしまう。

けれど、穏やかな時間に混じって、海の気配が増えていく。
波の音はないのに聞こえ、足音がひとつ多い気がして、見られている感覚だけが残る。安心を与える腕ほど、境界を曖昧にする――そんな違和感を抱えたまま、真樹は高木の出張に同行し、香川・琴平へ向かう。
24h.ポイント 127pt
21
小説 8,826 位 / 220,772件 ホラー 103 位 / 8,224件

あなたにおすすめの小説

心霊タクシーでおかえりなさい

黄鱗きいろ
ホラー
十八歳の少女、凪は、 心霊タクシーの噂を頼りに片田舎のロータリーを訪れる。 そこで出会った心霊タクシーの運転手に 凪は札束を突きつけて頼み込んだ。 「お願いします。このお金で、行けるところまで私を連れて行ってください! 両親を探してるんです!」 おっさん運転手と訳あり少女の 優しくて少し哀しい心霊譚。 ※他サイトにも掲載しています。

【完結】ブルームーン・セレモニー

月森優月
ホラー
山奥に建つ全寮制の女子高。 そこではブルームーンの夜に「ブルームーン・セレモニー」と呼ばれる儀式が行われる。 満月の下、生徒たちの中から“たった一人”が選ばれる。 主人公・舞香は、親友のあんずとともに平穏な寮生活を送っていた。 しかし儀式の日が近づくにつれ、あんずの様子は少しずつ変わり始める。 やがてあんずは、舞香にこの学校から逃げることを提案する。 学校が秘密裏に記録している、ある“周期”。 満月と少女たちの身体の変化。 第三十四回ブルームーン・セレモニー。 血に染まる月の下で、舞香が見るものとは――。 少女たちの心と身体が揺らぐ夜。 それは通過儀礼か、それとも選別か。 これは、“成長”という名の儀式に抗う物語。

本当に体験した不思議な話

月夢(らいむ)
ホラー
子どもの頃から、大人になった今まで——。 私のまわりでは、いつも“説明のつかないこと”が起きていた。 ひとりで留守番をしている時に起こる、不思議な出来事。 寂しくて見ていた写真の中の自分が、いつも動いていたこと。 誰もいないはずの部屋から聞こえる、小さな声。 そして、みんなで見たUFO。 子どもの頃から今までのあいだに起こった、不思議な出来事をありのままに綴ります。 信じるか、信じないかは——あなた次第です。

最後なので全部言わせていただきます

れいも
恋愛
伯爵令嬢としてできる限りのことをせよ、という父親の言葉を遂行しようとしたローレシア。 だが、気付けばローレシアの努力と苦労は、無駄となってしまった。 ローレシアを罵倒する父親に、ついに彼女は切れた。 そうして父親に、今までの鬱憤をぶちまけるのだった。 ※ざまあ展開はありません。 また、カテゴリー設定がどれに該当するか分からないため、一番近そうな「恋愛」(婚約破棄を含むため)にしております。

私がみた夢の話を誰かきいてくれませんか?※これはあくまでフィクションです。

芝 稍重
ホラー
私は子供の頃から夢日記を書いています。 この話には続きがありますが、ここでは書きません。この話でピンときた人は、コメント欄で知らせてほしいです。 (※このあらすじは、本文にでてくる「夢日記」投稿当時のものを復刻した内容です) 表紙はぱくたそのフリー写真です

【完結】ドグマ

大塚波
ホラー
【ドグマ:教義、教条、信条/独断的な説/独善的】 タレント霊能者・錆殻光臣は嘘吐きである。己には一切の能力もないのにお祓いや怪異退治の依頼を受け、『本物』の能力を持つ甥にすべてを丸投げにし、自分自身はタレントとして人気を集めて生活をしていた。そんな中、嘗て光臣が請け負い、甥の手で解決したはずの怪奇現象に纏わる死者が出てしまう。捜査に携わる刑事・小燕向葵とその場限りのタッグを組む光臣だが、怪奇現象の向こう側には、若き日の光臣が捨てたはずの故郷に関わる更なる怪異が待ち受けていて──。 インチキ霊能者×生真面目刑事バディが挑むミステリホラーとなっております。 お楽しみいただければ幸いです!

悪役令嬢にされたので婚約破棄を受け入れたら、なぜか全員困っています

かきんとう
恋愛
 王城の大広間は、いつも以上に華やいでいた。  磨き上げられた床は燭台の光を反射し、色とりどりのドレスが揺れるたびに、まるで花畑が動いているかのように見える。貴族たちの笑い声、楽団の優雅な旋律、そして、ひそやかな噂話が、空気を満たしていた。  その中心に、私は立っていた。  ――今日、この瞬間のために。 「エレノア・フォン・リーベルト嬢」  高らかに呼ばれた私の名に、ざわめきがぴたりと止む。

私が義姉ですがなにか?

透明
恋愛
ルーク王子は激怒した。 必ず、かの邪智暴虐の義姉を除かねばならぬと決意した。 かわいいポピー嬢を虐げる義姉を懲らしめるためにポピーの家に行ったルーク王子と取り巻きたち。 あれ?あなたは誰ですか?