妙見国〜明敏なる女王とうつけの王子〜

 妙見国は王家の血筋達が五つの国を共同統治している。

 王位継承権の末席に生まれたのは按俊と搤剩の双子で姉は女王として南の領土を統治する王座に即位したが弟は継承権がないという理由で自由奔放に宮官にもならず遊学ばかり……。

 按俊ーアンジューはそんな弟の搤剩ーアクジョワーを心配して王都を統治する長兄の挎徳ークドゥアーに近習となる者を頼んでまもなく、寄越されたのは按俊の王筆(近習)の弟、弦峰家の銀目だったが――。
 これも武家の次男坊であり、一族ではぼんくら次男として有名であった。

 今度は按俊の王筆で銀目の姉、金蓮までもが頭を抱えることになるのであった――。

……それは銀目本人も同じである。
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