鐘が導く、来世の約束
大学生の美咲には、大切な恋人がいた。
二人は互いを想い合い、大学生活最後の思い出としてヨーロッパへ旅行に行く。
美しい街並みを歩き、食事を楽しみ、何気ない時間を二人で過ごした。
旅の途中、古い街に響く教会の鐘を聞いた二人。
その美しい音色を聞きながら、未来について語り合う。
「また二人で、この鐘を聞こうね」
それは、二人にとって大切な約束になった。
しかし、日本へ帰る飛行機の中で突然事故が起こる。
恐怖の中、最後まで手を握り合う二人。
そして最期に交わした言葉は――。
「来世でも、また会おう」
二人は手を繋いだまま、この世を去った。
そして美咲は、異世界へと転生する。
新しい名前は、エレナ。
魔法が存在する世界で、貴族の令嬢として生まれた彼女は、前世の記憶を持ったまま成長していく。
家族に愛され、穏やかな日々を過ごす中で、エレナはずっと一人の人を探していた。
前世で愛した、大切な人。
この世界のどこかに、きっといる。
そう信じながら、エレナは少しずつ新しい世界を知っていく。
けれど、広い世界の中で手掛かりは何もない。
名前も分からない。
どこで生まれたのかも分からない。
それでも、あの日交わした約束だけは覚えている。
――来世でも、また会おう。
いつか、もう一度会えると信じて。
そして、二度目の人生が動き始める。
これは、前世で交わした約束を胸に、もう一度大切な人を探す少女の物語。
遠い記憶の中に残る、あの鐘の音をもう一度聞くために。
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