つくもがみ/付喪神 小説一覧

6
1

ツクモガミ乱世

 ――世は永明二年。すでに平成の世は遠く、これは先の世の話であり、文化は時代を遡る。  かつて日本と称されていた国はとうにない。平成と呼ばれていた時代から数百年後、国は日ノ本、時代は永明の名を冠す。  政治体制の揺らぎ、そしてのちに大禍と称された未曽有の大災害により平成の世は大きな打撃を受けた。この時代を崩壊へと至らしめたのは、しかし大禍のみではない。これには数多の異形の存在が大きく関わっていた。  地形が大きく変わり、人口が減り――そして混乱の時代の中、平成の世に突如として「ツクモガミ」と呼ばれる化生が現れ始めたのだ。  物が人間に酷似した姿に転じたもの。人々はそれらを古来より伝わる道具の化生からツクモガミと称した。  人々の中に唐突に生じたツクモガミたちは大禍に疲弊する人間たちを侵略者として襲い始めた。玩具として、下僕として、食物として。人間はさらにその数を減らし、人々は下層の立場へと追いやられた。  平成の崩壊から約三百年が経ち、時は永明。幼きころにツクモガミの急襲を受けた十握篝(とつかかがり)は、暮らしていた砦や砦の人間、唯一の家族であった妹の芙蓉(ふよう)を失った。縁あって武士となった篝だったが、元服から数年が経って戦に出るようになっても生きる希望を持てず、ツクモガミへの怒りと憎しみだけを糧に漫然とした暮らしをしていた。  唯一の家族ももうない。生きていても仕方がないが、この身を拾ってもらった手前、簡単に投げるわけにもいくまい。  悲観と諦観の中に生きていた篝だったが、主君である香々瀬尾武比古(かかせおたけひこ)の呼び出しに応じたある日、賽ノ小路六ツ目(さいのこうじむつめ)という僧形のツクモガミとの共同任務を命じられる。内心に不服を抱えながらも篝はそれを承知し、それまで出来得る限り関わりを避けていたツクモガミという存在と強制的に関わりを持つ羽目になる。  ツクモガミが憎い。そうツクモガミ全体に向ける敵愾心を篝は当初六ツ目にも向けていたが、任務を共にするうちこれまで頑なだった内心に変化が表れ始める。  六ツ目は明朗快活で、陰りがない。とても気の良い男だった。しかしそんな六ツ目は驚いたことに、自身もツクモガミでありながら深くツクモガミを憎んでいるのだった。その胸の内を明かされた篝は改めてツクモガミというものを考えるようになる。  篝はツクモガミと自身の過去にどう向き合うのか――。
ファンタジー 完結 長編
感想数 0 文字数 113,568 最終更新日 2026.05.30 登録日 2026.05.28
2

かくりよの宅配便〜春屋敷の招かれざる客〜

かくりよの宅配便〜春屋敷の招かれざる客〜
大学生の月島志帆は、かくりよと現世を繋ぐ宅配便でアルバイトをしている。 今回の依頼は、招かれなければ辿り着けない“春屋敷”に住む妖の父へ、荷物を届けてほしいというものだった。
キャラ文芸 完結 短編
文字数 10,473 最終更新日 2026.01.18 登録日 2025.12.31
3

銃口に宿る付喪神と、復讐の銃弾

オカルトを信じない高校生・西野蓮は、祖父の葬式で遺品として一つのペンダントを手に入れたことをきっかけに、日常に違和感を覚えるようになる。 学校、電車、家の中。場所を選ばず付きまとう不快な気配。それでも蓮は、いつも通りの日々を続けていた。 ある日、違和感を振り払おうと神社を訪れた蓮は、正体不明の化け物と遭遇する。 逃げる蓮。迫る異形。 絶体絶命の瞬間、彼を救ったのは――言葉を話すようになった、母の形見のモデルガンに宿る付喪神だった。 銃に宿った人外の相棒と共に、蓮は知る。 近所で起きていた不可解な事件。納得できなかった祖父の死因。幼い頃に失った母の死。 それらすべてが、同じ“歪み”へと繋がっていることを。 日常の違和感は、やがて戻れない歪みへと姿を変えていく。 蓮は、真実と復讐のために引き金をその歪みへと向ける。 現代武器と付喪神という異質な組み合わせで描かれる、ダークオカルト復讐譚。
キャラ文芸 連載中 長編 R15
感想数 0 文字数 6,795 最終更新日 2025.12.22 登録日 2025.12.16
4

 お近くの付喪神 ~爺は孫の幸せを諦めない~

 生まれつきの難病で亡くなってしまった太郎君。  両親に御礼を言えなかった彼は、心残りを解消すべく付喪神な熊のぬいぐるみの協力を経て、自宅で両親が帰ってくるのを待った。  しかし、現れた両親の話を聞き.....  未練解消作戦のストーリーは、ちょいと雲行きが怪しくなっていく。
ライト文芸 完結 短編
感想数 0 文字数 7,897 最終更新日 2024.07.26 登録日 2024.07.26
5

あやかしアパート何年住める?[あやかしくさわがしい友達が出来ました]

有名旅館グループの一人娘・瀬戸リツカは、人前ではいつでもいい子に取り繕う癖がついている。そのため「本心を明かしてくれない子」として遠ざけられてしまうことがあり、深く傷ついていたが、誰にも相談できなかった。あるとき、社長の母の判断で「アパートハナミズキに引越しなさい」と強制される。 そこには不可思議な住人たちがいて、リツカが困りごとを助けてあげたことで懐かれてしまい「人間社会に馴染むにはどうしたらいいだろう?」と正直に頑張っている姿を見て、しだいに心の距離が近くなってゆく。 高校二年生のゴールデンウィーク明け、リツカは新たな学校にゆく。 そこには昔リツカをいじめた少女がいてーー。 逃げてきた過去と向き合うとき、現在は側にあやかしがいてくれる。 違うものたちが長く手を繋ぐための努力を描く、心温まる仮住まいストーリー。
キャラ文芸 連載中 長編
感想数 0 文字数 34,413 最終更新日 2024.01.29 登録日 2023.12.30
6

玄関でナマズが跳ねてんだけど

 中学生の池端俊樹(いけはた としき)がいつものように学校から帰ると、玄関でドデカい魚が跳ねていた。 ※カクヨムでも公開しております。
キャラ文芸 完結 ショートショート
感想数 1 文字数 3,035 最終更新日 2021.01.11 登録日 2021.01.11
6