笑いから恐怖まで小説一覧

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現代文学 連載中 ショートショート
『記憶力』 キラキラが目に痛いから、 逃れるように眠ろうとしたのですが、 まぶたがないのを忘れていました。 水面を見上げると、 醜い犬がのぞいていました。 ついでにさざ波がおさまり、 醜くなくなりました。 肺呼吸がうらやましいなと思い、 やわらかな毛もいいなと羨みました。 肌がうろこで硬い。 歯も舌もなくて味がしない。 セックスができない。 たくさん愚痴が思い浮かんだけど、 気づいたら皿にのり、 身体が刺身にされていました。 ぼくはまだ生きています。 楽しそうな誰かと誰かの声のなかで、 ぼくはしずかに目を閉じようとして、 まぶたがなかったのを思い出しました。
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文字数 92 最終更新日 2022.07.09 登録日 2021.04.13
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