命の天秤 小説一覧
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愛して欲しいと言えたなら
その頃、数時間前の夏樹と直美の会話を知ってか知らずか、
雪子は、不意に左手の袖をまくって、左手首に残るリストカットの傷跡を裕子に見せた。
「ふーちゃんね、きっと、気がついたと思うんだ」
「気がついたって、その傷跡に?」
「だから、きっと、ふーちゃんには分かっちゃったと思うんだ」
「分かっちゃったって、何を?」
「私が、ふーちゃんに会いに行った意味」
そう言いながら、ボトルのウイスキーをグラスに注ぐ雪子。
雪子は、季節に限らず、どんなに暑い日でも、いつも、長袖のカーディガンを着る癖がある。
それは、左手首に残る傷跡を隠すためでもあり、
同時に、その行為は、自分が生きてきた人生から目を背け続けながら暮らす日々の中で、
どんなに色あせても、決して消えない背徳の感情がそうさせてしまうのかもしれない。
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文字数 452,410
最終更新日 2026.07.02
登録日 2026.03.22
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ヒーロー・チェーン: 伝染する呪い、選ばれた者が死ぬ都市伝説
仕事に追われる平凡な日々を送る「僕」は、会社の休憩室で先輩から奇妙な都市伝説を聞く。
「ヒーロー・チェーン」――それは、選ばれた者が最愛の人をモンスターから守るために変身し、その代償として命を落とすという呪いのような噂。 その力は無作為に他者へと受け継がれ、まるでチェーンメールのように広がっていく。
どこか他人事だったはずの話。
だが、家に帰った僕は気づく。
首に刻まれた、黒い痣の存在に。
これはただの噂なのか、それとも――。
都市伝説が現実になるとき、人は「ヒーロー」になるのか。
感想数 0
文字数 100,707
最終更新日 2025.04.09
登録日 2025.02.15
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