春の物語 小説一覧
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シャッターチャンス ― 何回桜を ―
余命を告げられた美桜は、
もう何も感じられない自分に戸惑っていた。
そんな彼女の前に現れたのは、
画面の向こうに映る一枚の桜。
レタッチソフトを使い、光と色を調整していくうちに、
かすかな実感が胸に戻っていく。
撮ること、残すこと、
そして“いま”を生きること。
「あと、何回桜を見れるだろうか?」
その問いの先に、彼女が見つけたものとは――。
静かに心がほどけていく、春の短編。
感想数 0
文字数 2,912
最終更新日 2025.11.19
登録日 2025.11.19
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読切短編 五月の桜は、誰も見ていない
東京に来て十年。四月になるたびに職場で飛び交う「桜前線」の話を、俺は少しだけ苛立ちながら聞いていた。
俺の地元、札幌の桜が咲くのは五月だ。本州の花見が終わり、誰もが桜を忘れた頃に、北の木々はようやく動き始める。そしてその季節になると、決まって思い出す顔があった。
幼馴染みの麻衣。彼女の誕生日は五月三日で、毎年その頃に桜が満開になった。
今年、初めて五月に帰った。理由はうまく説明できない。ただ気づいたら、航空券を調べていた。
待ち合わせの公園で、俺は手紙を書いた。書き出しだけ、すぐに決まった。
「本州では誰も桜の話をしなくなった頃に、あなたのことを思い出していた」
彼女は来た。そして俺は、手紙を渡さなかった。
感想数 0
文字数 1,212
最終更新日 2026.05.13
登録日 2026.05.13
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