つぶやきシリーズ 小説一覧
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5件
1
ご馳走様。その悩み、美味しく頂戴しました。――妖怪カタルシスのつぶやき
【ショートショート】
悩みや心の澱を抱えた人だけがたどり着ける、どこか懐かしい「ひみつ茶屋」。
そこでニコニコと微笑みながら一杯のお茶を出してくれる、優しいおばあちゃん。
現代の人間であれば誰もが抱く警戒心も、彼女が得意とする妖術の前では霧のように消えてしまう。皆、何の疑いもなく、彼女の差し出すお茶を口にするのだ。
けれど、それこそが彼女の罠。
彼女の本当の正体は、人の「感情」を食らう妖怪・カタルシス。
彼女が振る舞うお茶と飴は、訪れた人の心を癒やすためではなく、彼女の好みの味に「感情を調味」するためのものだった。
「美味しいご馳走様。……さて、今日はどんな悩みが私のもとに届くのかしら?」
縁側で繰り広げられる、美食家妖怪のつぶやき。
感想数 0
文字数 1,087
最終更新日 2026.07.10
登録日 2026.07.10
2
幸福(まやかし)屋の妖怪占いばあばのつぶやき
【ショートショート】
占い師が割った水晶から生まれた、赤紫の霧のような妖怪「占いばあば」。
彼女はふっくらした優しい老婆の姿を借りて、今日も人間たちの欲望を「入れ替える」。
幸せを求めてやってくる人間たちの願いは、すべて彼女の極上のエンタメ。
「自分の人生は自分で決めなよ。……ま、その勘違いした幸せ、せいぜい楽しみな」
澱(おり)を食らい、欲望を煮詰め、不幸をばら撒く。
妖怪占いばあばの、毒気たっぷりの呟きが、今夜もどこかで聞こえてくる。
感想数 0
文字数 1,011
最終更新日 2026.07.11
登録日 2026.07.11
3
妖怪天国と地獄の双子ちゃんのつぶやき――幸福を喰らう「手渡し遊び」
「ねぇ、私たちと楽しく遊びましょう?」
公園に現れる、一卵性双子の姉妹。
華やかな着物を着たあの子たちは、おかっぱの髪型が『白』と『黒』に分かれていること以外、すべてがそっくり。
彼女たちはいつもニコニコしていて、ただ無邪気に遊びたがっているだけ。
けれど、彼女たちにとっての「遊び」は、幸福の絶頂にいる人間からすべてを奪い去ること。
白い手から黒い手へ。光から闇へ。
彼女たちがあなたと「手渡し遊び」を始めたとき、あなたの人生は真っ黒に塗りつぶされる。
幸福を喰らう双子の妖怪が贈る、甘くて残酷なショートショート。
感想数 0
文字数 643
最終更新日 2026.07.12
登録日 2026.07.12
4
忘却(イヤイヤ)の迷い子――妖怪イヤイヤ坊主のつぶやき
【ショートショート】
「そんな嫌な自分、ポイしちゃえばいいよ」
悩める人間に近づき、無邪気な笑顔で「忘却」という名の救い(毒)を与える妖怪・イヤイヤ坊主。今日もまた、誰かの悲鳴を「嫌だ」と飲み込んで、その人生を空っぽにしていく。
感想数 0
文字数 827
最終更新日 2026.07.12
登録日 2026.07.12
5
背中にゾクッときたら、それがオラっちの合図さ。――妖怪サブブのつぶやき
街のあちこちに潜む、奇妙な妖怪たちの「つぶやき」。
今回の語り手は、天使のように愛らしい外見をした10歳の少年――その正体は、冷蔵庫の氷から生まれた妖怪「サブブ」だ。
サブブの趣味は、他者をコントロールすることしか頭にない「大人になれない大人たち」の背後に立ち、その心の澱(おり)を冷やすこと。
「大丈夫?」と親切を装って近づく支配欲の強い人間たちに、サブブは冷たい指先で触れ、彼らの歪んだ執着を増幅させる。
「支配」という名の甘い砂糖に溺れ、自滅へと向かう人間たちを、サブブは今日も氷の瞳で冷ややかに観察している。
――あなたの背中がゾクッとしたら、それはオラっちが通り過ぎた合図かもしれない。
妖怪つぶやきシリーズ、凍てつくような悪意と、滑稽な人間模様を綴るショートショート。
感想数 0
文字数 995
最終更新日 2026.07.16
登録日 2026.07.16
5件