夫婦すれ違い 小説一覧

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「この店は俺のものだ」と夫に言われたので、私は口を出すのをやめました

商人の家に生まれ育ったマルタは、結婚後、夫が父から継いだ小さな雑貨店を共に切り盛りしてきた。 仕入れを見直し、新しい商品を探し、客の声を拾う。 思うように売れない日は二人で頭を抱え、初めて大きな利益が出た日は、閉店後の店でささやかに祝った。 苦しい時期もあった。 それでも夫と一緒だから頑張れたし、二人で店を育てていくことが、マルタにとっては何より幸せだった。 夫婦で力を合わせて、ここまで来た。 ずっと、そう思っていた。 けれどある日、商売について意見を口にしたマルタに、夫は苛立ったように言う。 「勘違いするなよ。この店は俺のものだ。お前は手伝っているだけだろう」 その瞬間、マルタの中で何かが静かに切れた。 これまで一緒に積み上げてきたと思っていた時間も、苦労も、喜びも。 夫にとっては、同じものではなかったらしい。 そして不思議なほど、夫への気持ちまで冷えていった。 「……そうね。あなたのお店だもの」 ならば、もう口を出す必要はない。 マルタは夫の望みどおり、彼の店のことに口を出すのをやめることにした。
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感想数 0 文字数 13,266 最終更新日 2026.09.26 登録日 2026.09.26
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