ゴシックロマンス 小説一覧
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28歳の結衣は、不慮の事故で最愛の恋人、拓海を亡くし、深い喪失感を抱えて生きていた。心の傷は癒えず、彼女の左手の薬指には、拓海との愛を誓ったペアリングが輝いている。
そんなある夜、結衣は拓海の親友だった蓮と共に、彼の遺品を整理するため、二人が幼い頃に遊んだという廃墟の洋館を訪れる。
蓮は、身長が高く鍛えられた肉体を持ち、その色素の薄い瞳は暗闇でも鋭い光を放つ。寡黙で感情を表に出さない彼は、結衣にとって、どこか近寄りがたい存在だった。だが、蓮の右手首には、拓海と同じデザインのタトゥーが彫られている。それは、二人の間に横たわる、隠された絆の証だった。
古びた洋館は、満月の光に照らされ、幻想的な美しさを湛えている。しかし、その静寂は、二人の間に流れる張り詰めた緊張感を際立たせるだけだった。
遺品整理を進めるうちに、結衣は拓海が残した古い日記を発見する。そこには、洋館に隠された「秘密の場所」について記されていた。蓮は、その場所について多くを語ろうとしない。彼の冷たい態度に、結衣は不信感を抱くが、同時に、その裏に隠された深い悲しみや孤独を感じ取る。
その夜、突然の激しい嵐が洋館を襲い、停電となる。懐中電灯の光だけが頼りの暗闇の中、蓮は意を決し、結衣を日記に記された秘密の場所へと導く。たどり着いたのは、地下一階にある温室だった。そこには、満月の光を浴びて、拓海が大切に育てていたバラがひっそりと咲き誇っていた。
バラの甘い香りが満ちる温室で、蓮はついに、拓海の死にまつわる真実を告白する。それは、彼の心に深く刻まれた後悔と、結衣への抑えきれないほどの強い想いだった。
「俺は、拓海の親友だったから。お前を愛する資格なんて、ないと思っていた」
その言葉と同時に、外で轟く雷鳴に呼応するかのように、二人の間で抑圧されていた感情が、一気に溢れ出す。
悲しみ、嫉妬、後悔。そして、愛。
嵐が吹き荒れる洋館で、二人の情事が始まる。それは、ただの肉体的な欲求ではなく、お互いの心の傷を癒し、失われた愛を再構築するための、魂の触れ合いだった。
蓮の指先が、結衣の白い肌を優しくなぞる。彼の吐息が耳元で響くたびに、結衣の身体は粟立ち、今まで感じたことのない悦びに震えた。
この愛は、許されるべきなのか?それとも、背徳の罪なのか?
夜が明け、嵐が去った後、結衣は新しい感情を受け入れる。彼女の左手の薬指のペアリングは、もはや過去の悲しみの象徴ではない。それは、拓海の思い出と、蓮との新しい未来をつなぐ、愛の証へと変わっていた。
『月下の蜜事』は、深い喪失感を抱えた男女が、過去の愛を乗り越え、新しい愛を見つけていくまでの切なくも官能的な物語です。
文字数 13,031
最終更新日 2025.09.07
登録日 2025.09.07
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伯爵家の次女として生まれたカサンドラは、幼い頃からチャーミングで美しい娘だった。
周囲に深く愛され、何不自由なく幸せに暮らしてきた。
けれど悲劇は、カサンドラが18歳で社交界デビューを果たしたと同時に訪れた。
姉の婚約者がカサンドラに心を移してしまった。それが全ての始まりだった。
婚約破棄された姉が憤慨し、絢爛豪華な舞踏会の最中にカサンドラへと銃口を向けた。
自分から愛する男性を奪った罪深いカサンドラに死を与える為に。
必死で止めようとするカサンドラと怒り狂った姉が揉み合った末の拳銃の暴発……
命を落としたのは哀れな姉だった。
止まらない姉の血に腕を濡らしながら息絶える姉を間近で見つめ続けた瞬間は、何時までもカサンドラを酷く苦しめ続ける。
夜も眠れずに自分を責め続けたある日、伯爵家は気候が過酷な土地に古い屋敷を所持しているという事実を知る。
過酷な土地で一人きり、誰にも頼らずに暮らす事は、少しは姉に対する贖罪になるだろうか……?
毎日死ぬような思いをすれば、私の罪は洗い流される?
一人で過酷な土地へと向かう為、カサンドラは家を飛び出した。
家族にも、友人にも、誰一人として居場所を教えずに。
これは傷付いたカサンドラの成長と再生の物語
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※作中に流血シーンがあります。
※作中に暴力表現があります。
(戦闘シーンくらいですが)
※架空世界のお話です。史実や地形などの矛盾もあるかと思います。
※ご都合主義も沢山あります。
※主人公やキャラにだいぶ癖があります。
※作者は初心者なので変な文章や誤字脱字が有ると思います。
その際は教えていただければ嬉しいです。
文字数 181,504
最終更新日 2022.12.25
登録日 2022.11.15
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