ファンタジー 一途なヒーロー 小説一覧
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婚約発表の場で、妹に婚約者を奪われた。
家族にも教会にも見放され、聖女である私・エリシアは “不要” と切り捨てられる。
その“褒賞”として押しつけられたのは――
魔物と瘴気に覆われた、滅びかけの辺境領だった。
けれど私は、絶望しなかった。
むしろ、生まれて初めて「自由」になれたのだ。
そして、予想外の出来事が起きる。
――かつて共に魔王を倒した“勇者一行”が、次々と押しかけてきた。
「君をひとりで行かせるわけがない」
そう言って微笑む勇者レオン。
村を守るため剣を抜く騎士。
魔導具を抱えて駆けつける天才魔法使い。
物陰から見守る斥候は、相変わらず不器用で優しい。
彼らと力を合わせ、私は土地を浄化し、村を癒し、辺境の地に息を吹き返す。
気づけば、魔物巣窟は制圧され、泉は澄み渡り、鉱山もダンジョンも豊かに開き――
いつの間にか領地は、“どの国よりも最強の地”になっていた。
もう、誰にも振り回されない。
ここが私の新しい居場所。
そして、隣には――かつての仲間たちがいる。
捨てられた聖女が、仲間と共に辺境を立て直す。
これは、そんな私の第二の人生の物語。
文字数 34,833
最終更新日 2025.12.05
登録日 2025.11.22
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冷徹と恐れられる若き宰相カイロス。
母の後ろ盾を持たぬ妾腹の王子でありながら、その才覚だけで宰相の座に上り詰めた男は、常に笑みを浮かべながら裏で冷酷な手を打つことで知られていた。
だが冷害に苦しむ国の中で、ただ一つ収穫を上げ続ける辺境の領地がある。
そこにいたのは、発想力と行動力で領地を変えていく若き令嬢――セレナーデ・フロイデンベルク。
領内では「姫様」と慕われる彼女は、魔導具を農具に転用し、平民を登用し、学校を設立する。
常識破りの改革に、古参家臣からも「軽率」と批判されながら、ただ「領民を救うため」に進み続けていた。
最初は国益のために興味を抱いたはずの宰相カイロス。
だが次第に、彼は「辺境の姫」のためにその力を振るうようになっていく。
陰謀渦巻く王都、兄弟派閥の追放工作、領地を襲う飢饉の危機――
幾度の困難を乗り越えた先に、二人が築いたものは「新しい家」と「確かな契り」。
冷徹宰相と辺境の姫、二人の出会いが国を変える――。
文字数 27,314
最終更新日 2025.09.16
登録日 2025.08.30
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