歴史・時代 音楽 小説一覧

5件
1

逢坂の月、尾花のしらべ

音は、耳だけで聴くものだろうか。 平安の世。楽の名手・源博雅は、失われかけた琵琶の秘曲を求め、逢坂に住む盲目の奏者・蝉丸の庵へ通っていた。そこで出会ったのは、幼い日に聴力を失った少女・阿古。亡き母の声が記憶から薄れていく彼女に、博雅の笛は届かない。 二度叩く敷居、風に揺れる尾花。小さな合図を交わす日々が、音を伝えることの意味を変えていく。 そして三年目の月夜。待ち望んだ秘曲が響くとき、少女との約束が博雅の心を揺らす。 焼け跡にも芽吹く薄のように、喪失の先で育つ絆を描く。 『今昔物語集』の説話と、ススキの花言葉「心が通じる」「生命力」を織り込んだ、静かで温かな歴史短編。
2

百結先生と妻

三国史記に収録されている新羅の音楽人・百結先生のお話を自分なりにアレンジしました。
3

三味線雪しずく

江戸・吉原の裏手、見習い芸者として日々を送る少女・すず。 唄は通るが、三味線の音だけはどうしても揺れてしまう。 「その音、心がある」――そんな言葉をくれたのは、冷たい眼差しの若侍・新次郎だった。 刀を帯びながら、なぜか静かに音に耳を傾ける男。 芸を磨くたび、心を乱すたび、すずの音は変わっていく。 けれど彼には、命に関わる“ある使命”があった。 芸に生きる少女と、死に向かう男。 雪の夜に交わされた、たった一つの約束。 届くかどうかもわからない想いを、音に託して―― 少女は、三味線を抱え、ただ静かに弾き始める。 言葉では伝えられない想いが、音に宿る。 恋と芸の狭間で揺れる、切なくも静かな江戸恋語り。
4

四翼の鳳凰~運命の兄弟・足利尊氏と直義~

比翼の鳥はあり得ても、鳳凰は番えない。鳳に翼二つ、凰にも翼二つあるからだ。 鎌倉、延福寺。 権勢を誇った足利直義が、ひっそりと鳳笙の音に耳を傾けている。 比翼の鳥は、翼が一つずつの雌雄の鳥。二羽は常に一緒に飛ぶという。 二羽で翼二つ。 一対。 鳳凰は雄が鳳、雌が凰。 しかし、二羽にはそれぞれ翼が二つずつ。 両雄並び立たず。 鳳凰は二羽存在してはならない。 南北朝時代。 二朝廷に帝が二人。 将軍も…… 足利直義は、その時、何を思ったか。兄・尊氏をどう見たか。
5

Shine

音楽が最も栄える街ウィルム。その街に生きる二人の少年。 過去に囚われ歌う事を恐れた”天才シンガー”ナイトと、精神病に侵される”隻眼ピアニスト”のカイヤ。互いに枷を背負いながらも、音楽の道を貫く音楽物語。
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