歴史・時代 伝記 小説一覧
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8件
1
悪人の正義:黄巾のススメ
後漢末期――漢王朝は、腐りきっていた。
地主として村人から信頼され、困った者には金を貸し、病人がいれば薬を探し、飢えれば自ら食料を分け与える男がいた。
その名は、張角。
決して聖人ではない。
自分も土地を持ち、裕福な暮らしをしていた。
だが、目の前で苦しむ民を見捨てることだけはできなかった。
ところが、村人を苦しめていたのは、飢えや災害だけではなかった。
税を払えなければ利息を要求し、娘を「担保」として連れ去る役人。
育てた田畑を罰金と称して奪う者。
賄賂を受け取らなければ何一つ動かない役所。
訴えても、誰も助けてくれない。
弱い者は奪われ、強い者はさらに奪う。
正義を求めるほど、絶望だけが増えていく。
やがて張角は、民を救うために自ら金を作り、無利子・無催促で村人へ貸し始める。
病人を救い、飢えた者を助け、災害の際には自宅を避難所にした。
それでも役人は、張角の財産を奪った。
土地も、金も、すべて。
何もかも失った張角は、ついに決意する。
――ならば、この腐った世の中そのものを壊すしかない。
弟の張梁、張宝とともに立ち上がった瞬間、民衆の怒りは大陸全土へと燃え広がった。
黄色い布を掲げる者たち。
次々と蜂起する民衆。
そして、もはや誰にも制御できなくなっていく黄巾。
張角が望んだのは、略奪でも権力でもなかった。
だが、人々の怒りは彼の手を離れ、巨大な戦乱へと変貌していく。
「悪人には、悪人の正義がある」
これは、腐った時代に追い詰められた一人の地主が、なぜ逆賊となったのか。
そして黄巾の乱の後、歴史から姿を消した張角が、別人として生きることを選ぶ物語。
正義とは何なのか。
悪とは誰なのか。
答えは、あなた自身の目で見届けてほしい。
2
エウメネス伝―プルタルコス対比列伝より―
古代ギリシャの著述家プルタルコスの代表作『対比列伝』は、ギリシアとローマの英雄たちの伝記集です。
そのなかには、マンガ『ヒストリエ』で紹介されるまでわが国ではほとんど知るひとのなかったエウメネスなど、知名度は低くとも魅力的な生涯を送った人物のものがたりが収録されています。
ながく岩波文庫の河野与一訳が読まれていましたが、現在は品切れ。京都大学出版会の完訳が21世紀になって発売されましたが大きな書店にしかなく、お値段もなかなかのものです。また古典期の名著の訳が現行これだけというのは少しさみしい気がします。
そこで英文から重訳するかたちで翻訳を試みることにしました。
底本はJohn Dryden(1859)のものと、Bernadotte Perrin(1919)を用いました。
ひとまずエウメネスの伝記を訳出してみますが、将来的にはさらに人物を増やしていきたいと思っています(セルトリウス、スッラ、ピュロス、ポンペイウス、アルキビアデスなど)。ただすでに有名で単独の伝記も出回っているカエサルやアレクサンドロス、ペリクレスについては消極的です。
区切りの良いところまで翻訳するたびに投稿していくので、ぜんぶで何項目になるかわかりません。どうぞお付き合いください。
※当たり前ですが、これからの『ヒストリエ』の展開のネタバレをふくむ可能性があります。
3
アエミリウス・パウルス伝ープルターク英雄伝よりー
『英雄伝』は古代ギリシアとローマの政治家、武将からひとりずつ人物をピックアップして編まれた伝記集です。
いままでに4回ほど完全邦訳されたものが出版されましたが、現在流通しているのは少々お値段のはる西洋古典叢書版のみ。名著の訳がこれだけというのは少しさみしい気がします。
そこで英文から重訳するかたちで翻訳を試みました。
個性ゆたかな人物群のなかから、いままでにエウメネス、ニキアス、リュサンドロスの伝記を紹介しました。この「アエミリウス・パウルス伝」は第4弾にして、初めてギリシアを離れ、ローマ人の将軍を取り上げます。
ルキウス・アエミリウス・パウルス・マケドニクス。大・小スキピオとならんで共和政中期を代表する将軍でありながら、この人も我が国ではあまり知られていません。敵を一戦で葬る戦巧者ぶりもさることながら、同時に深い内省のひとでもあり、その透徹した運命観、人生観はどこか現代的でもあります。いずれにせよ本を置いたとき、「拡大期のローマにこんな考えの男がいたのか」と思ってもらえるに違いありません。全15話になる予定です。どうぞ最後までお付き合いください。
4
ニキアス伝―プルターク英雄伝より―
古代ギリシアの著述家プルタルコス(プルターク)の代表作『対比列伝(英雄伝)』は、ギリシアとローマの指導者たちの伝記集です。
そのなかには、マンガ『ヒストリエ』で紹介されるまでわが国ではほとんど知るひとのなかったエウメネスなど、有名ではなくとも魅力的な生涯を送った人物のものがたりが収録されています。
いままでに4回ほど完全邦訳されたものが出版されましたが、現在流通しているのは西洋古典叢書版のみ。名著の訳がこれだけというのは少しさみしい気がします。
そこで英文から重訳するかたちで翻訳を試みることにしました。
底本はJohn Dryden(1859)のものと、Bernadotte Perrin(1919)を用いました。
沢山いる人物のなかで、まずエウメネスの伝記を取り上げました。この「ニキアス伝」は第二弾です。
ニキアスというひとの知名度もかんばしいとは言えません。高校の世界史用語集に『ニキアスの和約』が載ってたっけな?くらいのものです。ご存じのかたでも、“戦わざるを得なかったハト派”という程度のキャラクターで理解されていることが多いように思いますが、なかなか複雑で面白い人生なのです。どうぞ最後までお付き合いください。
※区切りの良いところまで翻訳するたびに投稿していくので、ぜんぶで何項目になるかわかりません。
※エウメネス伝のほうはWEB版は註を入れませんでしたが、こちらは無いとなんのことやら文意がとれない箇所もありますから、最低限の解説はあります。
5
つきが世界を照らすまで
――頃は明治 絵描きの話をしよう――
明治二十二年、ひとりの少年が東京美術学校に入学するために上京する。
岡倉天心の「光や空気を描く方法はないか」という問いに答えるために考え描かれていく彼の作品は出品するごとに議論を巻き起こす。
伝統的な絵画の手法から一歩飛び出したような絵画技術は、革新的であるゆえに常に酷評に晒された。
それでも一歩先の表現を追い求め、芸術を突き詰める彼の姿勢は終生変わることがない。
その短い人生ゆえに、成熟することがない「不熟の天才」と呼ばれた彼の歩んだ道は決して楽ではなかっただろう。
その人は名を菱田春草(ひしだしゅんそう)という。
表紙絵はあニキ様に描いていただいたものです。
6
ピュロス伝ープルターク英雄伝よりー
『英雄伝』は古代ギリシアとローマの政治家、武将からひとりずつ人物をピックアップして編まれた伝記集です。
いままでに4回ほど完全邦訳されたものが出版されましたが、現在流通しているのは少々お値段のはる西洋古典叢書版のみ。名著の訳がこれだけというのは少しさみしい気がします。
そこで英文から重訳するかたちで翻訳を試みました。
個性ゆたかな人物群のなかから、いままでにエウメネス、ニキアス、リュサンドロス、アエミリウスの伝記を紹介しました。この「ピュロス伝」は第5弾です。
ピュロスはバルカン半島西北部の国、エピロスの国王です。ディアドコイ戦争後期の人物ですが、むしろ勃興期のローマの前に立ちふさがった好敵手として語られる機会が多いように思います。あのハンニバルが名将と称えたことや「ピュロスの勝利」という慣用句などから、いままで翻訳した4人よりはわずかながら知名度で勝る印象があります。
プルタルコスは彼の欠点を活写しながらも、それでもなお“英雄”として描いています。さて我々現代人の目にはどう映るでしょうか。なんだか計画性に乏しくバタバタと落ち着きのない生涯で、あまり大人物に見えないかも知れません。しかし例えば(フィクションではありますが)シャア・アズナブルなどは、ある面ではこういったタイプの英雄ではないでしょうか。そう捉えると、ピュロスが多くのひとから愛されたことも分かるような気がしてなりません。
7月8月は本業が忙しく更新も滞りがちになると思いますが、どうぞ最後までお付き合いください。
7
リュサンドロス伝―プルターク英雄伝より―
古代ギリシアの著述家プルタルコス(プルターク)の代表作『対比列伝(英雄伝)』は、ギリシアとローマの指導者たちの伝記集です。
そのなかには、マンガ『ヒストリエ』で紹介されるまでわが国ではほとんど知るひとのなかったエウメネスなど、有名ではなくとも魅力的な生涯を送った人物のものがたりが収録されています。
いままでに4回ほど完全邦訳されたものが出版されましたが、現在流通しているのは西洋古典叢書版のみ。名著の訳がこれだけというのは少しさみしい気がします。
そこで英文から重訳するかたちで翻訳を試みることにしました。
底本はJohn Dryden(1859)のものと、Bernadotte Perrin(1919)を用いました。
沢山いる人物のなかで、まずエウメネス、つぎにニキアスの伝記を取り上げました。この「リュサンドロス伝」は第3弾です。
リュサンドロスは軍事大国スパルタの将軍で、ペロポネソス戦争を終わらせた人物です。ということは平和を愛する有徳者かといえばそうではありません。策謀を好み性格は苛烈、しかし現場の人気は高いという、いわば“悪のカリスマ”です。シチリア遠征の後からお話しがはじまるので、ちょうどニキアス伝の続きとして読むこともできます。どうぞ最後までお付き合いください。
※区切りの良いところまで翻訳するたびに投稿していくので、ぜんぶで何項目になるかわかりません。
8
源氏異聞 〜桜と天狗の珍道中〜
源範頼は炎の中、幻覚を見た。それは昔、弟の義経が語っていた天狗という存在だった。天狗は牛若こと義経の敵討ちの為に鞍馬山から降りてきたという。方向音痴な天狗と兄、頼朝に謀殺される筈だった範頼との珍道中。
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