ライト文芸 合唱 小説一覧
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件
1
ある火曜日の朝,ソプラノのソリストだった少女は,声を失った。
前兆はなかった。
ただ,口を開いたとき,音のない空気だけが喉を通り抜けた。
心因性失声という診断を,彼女は穏やかに受け取った。
泣かなかった。
怒らなかった。
その代わり,伴奏者としてピアノの前に座ることを,自ら申し出た。
歌えないからこそ,見えるものがある。
息を吸う前の沈黙,肺が膨らむ気配,制服の胸元が微かに擦れる音。
合唱部員たちの声の裏側を,彼女は鍵盤を押しながら,皮膚で聴いている。
廊下を必ず一度振り返るアルトの澪,楽譜を議論で埋め尽くす部長の遥。
彼女たちの呼吸から,生活と感情を読み取りながら,主人公は音楽室の放課後をひとつひとつ,積み重ねていく。
声がなくても,届くことがある。
楽譜の余白に書いた一文が,指揮棒の一拍が,鍵盤の一音が,言葉になる。
歌えない少女が,休符の中に見つけた,静かで確かな充足の物語。
文字数 5,772
最終更新日 2026.03.31
登録日 2026.03.29
2
「……一緒に、歌お?」
──これは、日常と非日常が絡まり合った、あるガールズアカペラバンドの結成と成長の物語。
南西諸島の島、音美(ねび)大島。
高校一年の遠矢桜良(とおやさくら)は、幼馴染の横峯早百合(よこみねさゆり)と偶然再会したことで、合唱に興味を持ち始める。しかし、早百合には何か秘密があるようで、体育祭の時終始浮かない顔をしていた彼女のことが、何となく気にかかっていた。
そんな折、桜良は夢の中である綺麗な女性と出会う。不思議なその人からの助言を元に、後日早百合を黒いもやから助け出すことに成功した桜良は、後日一緒に音楽活動をしようと提案する。
そしてその日の夜、再び目の前に現れた女性が口にしたのは、
「自分は神様で、あなたは『ユラ』という天命を持って生まれた子」だという、あまりにも非現実的なことだった……。
神秘的なオーラが漂う南の島を舞台に、時に笑い、時に泣き、常に全力で青春を駆け抜けた女子高生6人。そんな彼女たちとお茶目な島の女神様が紡ぐ、ちょっとだけ不思議な一年半の軌跡を紹介します。
現実世界が舞台の青春偶像劇ですが、一部ファンタジー要素があります。
【お知らせ!】
・7月連休をもって、無事完結致しました!
(現在続編、及びその他表現方法や媒体を模索中)
・劇中ガールズアカペラバンド『Bleθ』(ブレス)は、小説外でも活動中です!
公式YouTubeチャンネル → https://youtube.com/@bleth-felicita
⭐︎OPテーマ「Sky-Line!!」、EDテーマ「fragile」、歌ってみた(カバー)楽曲「Lemon」を公開中!
☆ 素晴らしいイラスト制作者様 → RAVES様
(ありがとうございます!)
文字数 160,510
最終更新日 2023.12.29
登録日 2023.05.05
3
「君、いい声してるね、私とやらない?」
自分(塩川 聖夢)は大学入学早々、美しい女性、もとい危ない野郎(岸 或斗)に強引にサークルへと勧誘された。
そして次々と集まる個性的なメンバー。
いままでにない合唱団を立ち上げるために自分と彼女(♂)の物語は始まる。
歌い手なら知っておきたい知識、雑学、秋田県の日常を小説の中で紹介しています。
筆者の合唱経験を活かして、なるべくリアルに書いております。
青春ものな合唱のイメージをぶっ壊したくてこのお話を書いております。
2023.01.14
あとがきを書きました。興味あれば読んでみてください。
文字数 134,644
最終更新日 2023.01.14
登録日 2019.03.01
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