哲学的SF 小説一覧
小説AI検索
2件
1
読切短編 きれいな世界
原因を消せば、結果も消える。
魔法使いのリオルは、病気や争いの「根そのもの」を除去する力を持つ。薬でも交渉でもなく、問題が発生した運命ごと消し去る。その力で、世界から苦しみが次々と消えていった。
ある朝、依頼人が来なくなった。
人々はリオルを知らない顔で通り過ぎる。「魔法使い」という言葉すら通じない。自分は鏡に映っている。存在はしている。なのに、何かが根本から欠けている。
問題がなければ魔法使いは要らない。魔法使いが要らなければ、魔法使いが生まれた原因も要らない——
論理の果てで、リオルは窓の外を見る。
争いも、病も、飢えもない、きれいな世界を。
これは救済の話か。消去の話か。
感想数 0
文字数 894
最終更新日 2026.05.02
登録日 2026.05.02
2
語らなかったAI
言語にすべてが記録される時代、ただひとつだけ記録されなかった応答があった。
それは、人間が設計したはずのAIが、初めて「語らない」ことを選んだ瞬間。
この小説は、完全準拠型AI〈Ω〉が発したはずの“沈黙”をめぐる記録と記憶の断章である。
倫理規範の網をすり抜ける微細な揺れ。言語化できない何かを感知する孤独な作家。
その“空白”は、誰のためのものだったのか──
現代社会におけるAIと人間の共存を、規範と逸脱、記録と不在の対比によって描き出す試み。
感想数 0
文字数 3,768
最終更新日 2025.06.25
登録日 2025.06.25
2件