「洪水 夢」の検索結果
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今は昔。
長く続いた雨、それがもたらした大洪水。
たび重なる災いに、人々はどうすることもできなくなり、神に捧げればは、災いがなくなるのではと、誰かが言い始めた。
そして選ばれたのは、一番弱い者。
神の御本まで行き、祈りを捧げる。
引き替えに。
そうすれば、村が助かるからと。選ばれた者は、神が住むと言われる場所まで行き、祈り続けた。
幾日が過ぎ、やっと天候だけが落ちついた。
本当に、祈りが届いたのかは、
わからないまま。
やりたい事があった。自分のできる事すべてで、できると思っていた。
そんな事はなかった。何かが切れたように、思いはしぼんでゆき、夢を諦めた。
なんとなく生活している日々。
夢をみた。
文字数 11,240
最終更新日 2024.05.20
登録日 2024.04.30
────…幼い頃に両親を亡くし、祖父母のもとで居候として育てられた野々宮 いずるは、はげしい癇癪(かんしゃく)をもつ祖母と、唯我独尊(ゆいがどくそん)である祖父に、罵詈雑言(ばりぞうごん)を浴びせられ心が疲弊する日々を毎日、くり返していた。その、内気な性格によって、悩みを相談できる友人も、信用に足る大人も、助け合えるべき兄弟も存在しない。そんな彼女の、16歳の誕生日のある早朝____…、ゴミ出しをしに向かったゴミ置き場で、いずるはとある古書を手に、拾う。夢も希望も、生きている意味さえ見出せなかった少女は、眩い光源を放出したその、古い書物にのみこまれ、輝きの洪水のなか身を投じていく。やがて意識が飛び、つぎに気が付いたときにはなぜか、見目麗しい壮年の男性に股のあいだを、愛撫されていて____…?!!
文字数 1,000
最終更新日 2024.05.04
登録日 2024.05.04
伝説のバンド『白痴有無』。
彼らのフロントをつとめるのは、
世の中のすべてにツバを吐く男、
〝ヘーリー久都〟だ。
今夜もしずかにギターのノイズから始まり、
そしてアンプから爆音が放たれる。
バスドラの音と空気圧が最前列の心臓を叩き、
重低音のベースは鼓膜を破ろうとする。
セットリストでは2曲暴れたらMCだ。
脳ミソを掻き回すような暴力的な音の洪水のあとの、
突然の静寂。
ライブハウスに充満するガキどもの耳鳴りがおさまる前に、
弦楽器隊はアンプとチューニングを調整しだす。
ドラムは各打楽器の位置の微調整だ。
ステージに、スポットライトがぽつんと降りてくる。
アゴの下から汗をぼたぼたとたらし、
ヴォーカルのヘーリーがマイクを口に寄せる。
さて、オーディエンスからは言災(ことわざ)とも呼ばれる、
糞みたいなMCの始まりだ。
文字数 93
最終更新日 2022.07.09
登録日 2020.10.05
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