「保母さん」の検索結果
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月白楓花(つきしろふうか) は兄の親友で幼馴染でもある柊天馬(ひいらぎてんま)に片想いしていたが、彼が婚約したと聞き、傷心のまま東京の短大へ進学。保母となった。
職場のトラブルで傷つき疲れた楓花が両親に言われるまま故郷の街に戻ると、再会した天にいにいきなりキスされて、その後も何故かグイグイ迫ってきて……。
「お前って、本当に酷い女だな」
「 俺のファーストキスを奪った責任取れよ」
4年ぶりに再会した天にいは、甘くて強引でイジワルで…… そして、昔以上に魅力的な大人の男性になっていました。
どうしてキスをするの?
どうして私の身体に触れるの?
どうして…… そんなに切ない瞳で私を見つめるの?
月白楓花(つきしろふうか) 22歳
保母さんから引きこもり、 そして実家の喫茶店手伝いに。
柊天馬(ひいらぎてんま) 29歳
イケメンで優秀な消化器外科医。所謂スパダリ。
これは恋心をこじらせた2人の、 初恋やり直しストーリー。
*2020/3/20 本編完結済み。不定期で番外編追加中です。
*幼馴染なので過去の回想シーンが多目です。
*表紙のイラストは可愛らしいですが、第22話からガッツリR18展開がありますので御注意ください。
イラストはミカスケ様です。
文字数 308,290
最終更新日 2021.02.14
登録日 2020.01.25
ぼくとテツは乳母車の頃からの付き合いだ。
幼馴染というやつだ。
ぼくは絵本や本が大好きなどっちかと言うとインドア派。テツは山や川で遊びまくるアウトドア派。
なのに物心ついた頃から一緒にいる。
凸凹コンビだ。
保育園も幼稚園も小学校ももちろん同じだ。
二人とも親が共働きで商売をしてたので気があったのかもしれない。
ぼくらが通う保育園は村のお寺がやってる保育園だ。
当時珍しかった鉄筋3階建ての建物には、3階から下まで続く滑り台が設置してあった。
危ないからか、はたまた事故があったからかはわからないが、ぼくらが通園する頃には使用禁止で滑り台の途中は花壇になっていた。
テツは言った。
「あれ、上から滑りたいなあ」
「そやな。でも途中に花壇があるから無理やん」
「滑ろうや!」
「どうやって?」
「花壇を落とす!」
「あほな事言うな」
「おまえも滑りたい言うたやんか」
「そら滑りたいけど、、、」
「お昼寝の時間に三階に来てな」
と、いうとテツは自分の教室へと入って行った。
ぼくは「無理やろ」と思いながら大きな滑り台を眺めていた。
和田あき子にそっくりな、ぼくの担任の保母さんがぼくを探しにきた。
「あっ!いた!またこんなとこで何してるの?みんなお部屋に集まってるよ」
と、無理やり部屋に連れ込まれた。
お遊戯やなんややってお弁当を食べたあとに必ずお昼寝の時間がある。教室の窓に分厚いカーテンをして部屋の中は真っ暗だ。
みんなも保母さんも寝た。
そのタイミングを見計らってぼくは教室を出て、3階に行った。テツはもう来ていた。
「はじめようで!」
嬉しそうに3階の窓を開けて滑り台に乗り出した。
「おまえも来いよ」
しかたなく、ぼくも着いていった。滑り台に飾ってある花壇を二人で持ち上げて、下に落とす。
「ガシャーン」
陶器や花の入れ物が割れる音。当然、大きな音が保育園に響く。
そんな事にはおかまい無しに、二人でつぎから次へと花壇を落とす。
音に気がついた保母さんたちがワラワラと出てくる。下から「やめなさい!」と叫んでいる。
それでも、ぼくらはやめない。
結局、全部の花壇を下に落とした。保母さんも。どうして良いかわからないみたいだ。
「さあ、滑ろうか」
と、テツは勇躍滑り台に乗り出した!
だが、花壇を止めてあった金具や器具がじゃまになってすぐに滑れない。
そうこうしているうちに、和田あき子にそっくりな保母さんが3階に駆けつけてきて、身体の小さなぼくはヒョイと持ち上げられて滑るどころではなかった。
勿論、親を呼び出されて散々怒られた。
そんなやりたい放題の保育園生活の中で、童謡を歌う時間があった。
ある日、習って歌ったのは「焚き火」だった。
さざんか さざんかさいた道 焚き火だ 焚き火だ 落ち葉焚き
文字数 2,784
最終更新日 2023.08.18
登録日 2023.08.18
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