5
件
毒を以て毒を制す。目には目を、歯には歯を、力には力を、そして、魔法には魔法を。
長廻凛は、かつて最愛の妹を火事で亡くした。
妹を助けられなかった後悔と、妹の分も一生懸命生きようという決意を抱きながら生きてきた燐。しかし、妹の夢を見たある日の夜、凛もまた火事に巻き込まれる。
凛は取り残された隣人を助けたが、そこで命を落としてしまった。
最後に見たものは、海のように燃え盛る青い炎――それはかつて妹を殺した炎の色だった。
「あなたは私と同じ運命から逃れられなくなった」
「私が助けてあげる。さあ、選んで」
――あなたはどうしたい。
死んだはずの凛が目を覚ますと、目の前には一人の女がいた。
美しいひと。ブラックスーツに重苦しい外套を肩にかけ、タンザナイトの視線で凛を見つめるひと。
そして自らのことを、凛と妹の死の理由だというひと。
――「氷月燐」がいた。
文字数 40,615
最終更新日 2025.06.29
登録日 2025.06.14
異能力と呼ばれる力が一般となり、異能力がすべてを決める社会。
力を持つ者が頂点に立ち、持たざる者は底辺へと追いやられる。
天峰レイは、この社会を統べる十大権家『天峰』家に生まれたが、異能力を持たない「無能者」として捨てられ、スラム街へと辿り着く。
犯罪と混沌に包まれた掃き溜めの場所。
レイは、そこで初めて「家族」と呼べる仲間たちと出会う。
そして彼は『他者の能力を一時的に転写する』異能に目覚めるが、その力を見込まれ、望まずして闇組織の一員となってしまった。
――本当は、あの子たちのために、いい世界を作りたかった。
ある時、死んだはずのレイは過去に戻った。
何度倒れても、何度失敗しても、過去をやり直す力を得たレイは再び立ち上がる。
後悔も絶望も、すべてを糧にして。
死は終わりではなく、新たな始まりとなった。
文字数 14,337
最終更新日 2025.06.20
登録日 2025.06.20
椎野渚は、ある雨の日の夜、謎の女から一冊の黒い本を渡された。
――『ろく』。そのタイトルの本は、未出版のファンタジー小説。
子供向けのような文章に、悲惨な結末を迎える物語だった。
その一週間後、黒い霧と赤い空を見て気を失った渚。
次に目を覚ました時、渚はその物語の世界の「椎野渚」になっていた。
死んだはずの両親。
不思議な異能力、『界律』能力。
世界を滅ぼそうとする『天災』。
椎野渚の役割とは――。
渚はハッピーエンドを求めて、生き抜くことを決意する。
しかしそんな渚のことを、ループn回目の主人公・七瀬玲梓はひどく警戒して……。
なぜ、この物語の世界がループを繰り返しているのか。
どうしたら、ループを止められるのか。
――これは、『天災』と、七瀬と、自らの運命に立ち向かう椎野渚の物語。
文字数 27,473
最終更新日 2025.06.20
登録日 2025.06.20
偉大な魔法師の一人と名高い〈白銀〉が、掟破りの魔法師として粛正された。
――その事件から十二年の時を経て、この物語は、大陸東部に広がる「水の国」から始まる。
山奥でひっそりと暮らす少年と、記憶のない少女。二人の出会いが物語を動かした。
「僕は君と約束したんだ。君の『しあわせ』を探す約束を」
「あなたが望むなら、わたしはずっと、あなたの味方になる」
二人は世界に何をもたらし、また世界は二人に何をもたらすのか。
これは、やがて伝説となる、二人の魔法師の物語。
◇◇◇
*展開がかなりゆっくりじっくりなので、速い展開が好みの方だと読みづらいかもしれません。
*第一章を大幅に改稿しました。
*カクヨムなどでも更新しています。
文字数 34,677
最終更新日 2025.06.20
登録日 2025.06.20
お気に入りに追加
0
文字数 4,321
最終更新日 2025.06.10
登録日 2025.06.10
5
件