じゃろけ@いろんな小説を書いています

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ホラー 連載中 長編
 特殊清掃員・甲斐田 新(かいだ あらた)の仕事は、普通の掃除ではない。 洗面所の鏡にこびりついた「自意識」、部屋に染みついた「殺意」、湿った場所に生える「未練」。 それら「概念的な汚れ」を、彼はスクレイパーや薬品を駆使して物理的に剥ぎ取る。  剥がした汚れの処分を担当するのは、甲斐田の影に潜む少女・オリ。 彼女にとって、人の業(ゴミ)は至上の食事だ。   普通の洗剤では落ちない汚れ、弊社が物理的に削ぎ落とします。  世界を掃除する僕と、僕から生まれた少女の、奇妙な共生記録。
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小説 3,743 位 / 212,639件 ホラー 32 位 / 7,664件
文字数 8,246 最終更新日 2025.12.13 登録日 2025.12.12
ホラー 完結 ショートショート
「サイテー」 三谷正義は、その言葉を聞き慣れている。 彼は正義という名前を持ちながら、6人の女性と同時に交際し、3台のスマホを使い分ける男だ。 嘘をつき、女性を騙し、今日も彼は涼しい顔で修羅場を乗り切る。 誰も彼を疑わない。 彼女たちは、自分が「唯一の恋人」だと信じている。 ……かわいそうな三谷正義。 誰も彼のことなんてわかっていない。 彼の愚行も、嘘も、今どこで誰と何をしているのかも。 すべてを記録している「理解者」が、すぐ足元にいることさえも。 その愛は、あまりにも静かで、狂っている。
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小説 9,211 位 / 212,639件 ホラー 103 位 / 7,664件
文字数 1,789 最終更新日 2025.12.12 登録日 2025.12.12
現代文学 完結 ショートショート
「給料泥棒」 三年半勤めた会社でそう呼ばれ、青山は仕事を辞めた。 悪口を言われることは辛くない。けれど、誰にも褒められないことには耐えられなかった。 趣味の洋画は、一方的に見るだけで青山を褒めてはくれない。 空っぽになりかけていたある日、彼は見知らぬ街でペットボトルを拾い、老女に感謝される。 「えらいねぇ」 その言葉が、青山のすべてを埋め尽くした。 翌日、青山は髭を剃り、スーツに袖を通す。 就職活動をするためではない。 ただ、ゴミを拾って褒められるために。 承認欲求に食いつくされた男を描く、現代の怪談。
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小説 16,269 位 / 212,639件 現代文学 104 位 / 8,969件
文字数 2,038 最終更新日 2025.12.12 登録日 2025.12.12
現代文学 完結 ショートショート
目の前の男性が右手に煙草を持って歩いている。その煙草はなかなか口に運ばれることなく腰のあたりで手とともに揺れている。僕は揺れる火種を見ながら彼の後ろを歩く。
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小説 212,639 位 / 212,639件 現代文学 8,969 位 / 8,969件
文字数 1,752 最終更新日 2023.04.18 登録日 2023.04.18
現代文学 完結 ショートショート
君の手が冷たいのは、君の心が冷たいからなのだろうか。それとも、心を暖かくしたぶんだけ、手は冷たくなってしまったのだろうか。どちらにも言えてしまうし、どちらでもいい。 でも、一つだけ言えるのは、手が冷たいのは心がどちらかではあるということだ。手は心の象徴であり、過去や未来もうつしだす。僕にはそれを読み取ることはできないけれど、君の過去と未来と、心とが全て束になった総体を握ることは間違いなくできて、握ることさえできれば十分と思っていた。
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文字数 1,800 最終更新日 2022.12.16 登録日 2022.12.16
現代文学 完結 ショートショート
猫と犬の違いがわからない。男と女の違いがわからない。動物と植物の違いがわからない。ものとものの間にある線を、私には見ることができない。その線は神によって引かれているのか、人によって引かれているのか、歴史によって引かれているのか何一つわからない。AIは猫と犬を区別するらしい。AIは私よりもずっと賢くなってしまった。いや、AIは私よりも人間になってしまったのだ。
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文字数 1,957 最終更新日 2022.12.14 登録日 2022.12.14
現代文学 完結 ショートショート
 木島は嫌われていた。筋が通っていないことをどうしても認めることができない木島は、軋轢を生むことが多かった。最初は面白がって仲良くなる人たちはいたが、何度か会ううちに木島を面倒に思うようになった。 「論理的に考えて恋愛なんてする必要はない。恋愛してるやつは馬鹿だ」と言っていた大学一年のときの知り合いに、はっきりと「バカはお前だ」と言い、矛盾を指摘した。木島は論理を信仰しているのではなく、一貫性を信仰していた。
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文字数 1,433 最終更新日 2022.12.14 登録日 2022.12.14
現代文学 完結 ショートショート
気がついたのは7歳のときだった。友達とごっこ遊びをしているとき、彼を突き飛ばして怪我をさせてしまった。意図的ではなかったにせよ、友達に痛い思いをさせてしまったことに私は涙を流した。涙を拭いていた私の右手は、徐に光り、数秒がたった時には眩い光に包まれていた。それがなんなのかをだれかに説明されたわけではないけれど、私はその光は人を癒やす光なのだと直感し、彼の膝に手を当てた。光はさらに光度をあげ、次の瞬間、光は傷とともに消えた。彼は数秒唖然とした顔を見せたあと、笑顔に変わり、私に「ありがとう」と言った。
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文字数 2,075 最終更新日 2022.12.12 登録日 2022.12.12
現代文学 連載中 ショートショート
「はぁ、これで何回目よ」  店長が呆れたように呟く。スタッフルームには店長と僕しかいないのだから、その言葉は必然的に僕に向けられたものということになる。僕だってやりたくてやったわけじゃないのに。 「どれだけできない子でも殴ったり蹴ったりするのはやめてって言ったよね?」
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文字数 2,080 最終更新日 2022.12.02 登録日 2022.12.02
現代文学 完結 ショートショート
「僕はさ、星を見るよりもプラネタリウムのほうが好きなんだ。プラネタリウムとか、イルミネーションとか。人がどう見せたいかってのがあって作られて物のほうがやっぱり綺麗じゃんか。でも、今日なんとなく君が星を好む理由が分かった気がするよ」 「そう?」 「そうだよ。今日すごく楽しかったからさ。今日楽しかったっていうことが星は美しいってことだろ?」
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文字数 2,347 最終更新日 2022.11.30 登録日 2022.11.30
現代文学 連載中 ショートショート
イライラのあまりわたしは目の前のパイナップルを全力で殴った。  ピンポーン。ああうるさい。ピンポーン。  ああもう。早歩きでインターホンの前まで行く。扉からドンッ!ドン!と音がする。
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文字数 2,331 最終更新日 2022.11.28 登録日 2022.11.28
現代文学 完結 ショートショート
「お前は俺たちの本当の子どもじゃないんだ」 父の言葉にぼくは笑う。 「いいね、それ」 愛の結晶ではない愛の形を書いたショートショート。
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小説 212,639 位 / 212,639件 現代文学 8,969 位 / 8,969件
文字数 1,830 最終更新日 2022.11.24 登録日 2022.11.24
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