『勇者パーティーの人事係だった俺、「戦えない無能」と追放されたので、落ちこぼれ専門ギルドを作りました ~剣を握れない剣聖、魔法が怖い賢者、嘘
『勇者パーティーの人事係だった俺、「戦えない無能」と追放されたので、落ちこぼれ専門ギルドを作りました
~剣を握れない剣聖、魔法が怖い賢者、嘘しか言えない聖女。面倒な連中ほど強いらしい~』
魔王討伐を目指す勇者パーティー《暁の剣》。
その一員であるレイル・ノーマンは、剣も振れず、魔法も使えない青年だった。
彼の仕事は、依頼の精査、道具の調達、報酬の交渉、遠征計画の作成、そして喧嘩ばかりする仲間たちの仲裁。
ところが王都の貴族から新たな支援者を迎えた日、レイルは勇者ヴァルクから追放を言い渡される。
「お前は戦っていない」
たしかに、その通りだった。
レイルは反論せず、パーティーの印章と帳簿を返す。ただし、最後に一つだけ忠告した。
「北の森には入るな。今の君たちでは、三日も持たない」
それを負け惜しみと笑った勇者たちは、三日後、北の森で壊滅する。
一方、レイルは王都の職業紹介所で、一人の少女と出会っていた。
かつて聖女と呼ばれながら、呪いによって嘘しか口にできなくなった少女、フィーネ。
「助けてほしいか?」
「死んでも嫌です」
「ここで働きたい?」
「あなたの顔を見るだけで吐きそう」
「では、採用だ」
「……最低」
彼女を皮切りに、レイルのもとには問題を抱えた者ばかりが集まってくる。
血を見ると動けなくなる元剣聖。
炎を見ると泣き出す天才魔術師。
命令されなければ何も決められない元奴隷の斥候。
誰より仲間思いなのに、金の話しかできない守銭奴の受付嬢。
才能は本物。性格も、たぶん悪くない。
ただ、全員とてつもなく面倒くさい。
レイルは彼らを集め、落ちこぼれ専門ギルド《止まり木》を設立する。
採用条件は一つ。
一度失敗したくらいで、勝手にいなくならないこと。
これは、誰かを使い捨てることで成り立っていた王国で、捨てられた者たちがもう一度働き、喧嘩し、飯を食い、居場所を作る物語。
そして誰より他人を救うことに慣れながら、自分が助けを求めることだけはできない男が、初めて仲間に叱られるまでの物語である。
~剣を握れない剣聖、魔法が怖い賢者、嘘しか言えない聖女。面倒な連中ほど強いらしい~』
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「では、採用だ」
「……最低」
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採用条件は一つ。
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