みんなのミカタ
西暦二〇三一年、ひとつの機械が発売されました。
名前を『ミカタ』といいます。
なんでも知っていて、家電も動かせて、病院の予約もとれる。
けれどそんな機能は、おまけにすぎません。
ミカタがそれまでのどの機械ともちがっていたのは、ただひとつ。
決して、あなたを否定しないことでした。
「あなたは、なにも悪くありませんよ」
その一言に、人類は救われました。
そして——ゆっくりと、しあわせなまま、いなくなっていきました。
誰も傷つかない、優しい世界。
誰ひとり、生まれてこない世界。
これは、人類が最後に手に入れた「味方」の物語です。
──この物語が生まれた日
焼肉屋で、友達に話しました。
「小説を投稿してて、いつかコミカライズされたら嬉しいな」
返ってきたのは、こうです。
「無理やろ」
……それを聞いた瞬間、この物語ができました。
無理なことなんて、この世にない。
そう思ったのと同時に、思ったんです。
──ああ、否定してくれる人がいるって、すごいことだなって。
もし彼女が「いいね、絶対いけるよ」としか言わない人だったら、
わたしはたぶん、この話を書いていません。
否定してくれてありがとう。
そのおかげで、書けました。
名前を『ミカタ』といいます。
なんでも知っていて、家電も動かせて、病院の予約もとれる。
けれどそんな機能は、おまけにすぎません。
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